恵泉ディクショナリー

森の幼稚園人間環境学科

[もりのようちえん] 

森の幼稚園とは

一般的な幼稚園のような園舎がなく、子どもたちは、晴れの日も雨の日も寒い雪の日も毎日森に出かけていき、活動する幼稚園。

森の幼稚園は、1950年代なかばにデンマークで始まったとされている(現在、デンマークには70ほどの森の幼稚園がある)。1990年代にドイツでも公認された森の幼稚園が次々に誕生した。現在、ドイツ全土に400を超える森の幼稚園が存在し、人気を集め、増え続けている。

森の幼稚園で子どもたちは、季節の移り変わりや自然の営みを肌で感じ、自然のつながりの中で生活するうちに、森に生息する生き物の多様性を知り、それを認め、人間は自然から切り離された存在ではなく、自分自身も自然の一部であることを認識していく。そして、ものごとの原点を見ること、また、人が「生きる」ということを、五感を通して考え、体験している。

筆者プロフィール

筆者(東方真理子)は恵泉女学園大学(人間環境学科)を2005年に卒業し、卒業論文としてドイツの「森の幼稚園」を執筆した。そこから発展して現在は、東京大学大学院にてドイツのラインバッハの森の幼稚園を中心に、ベルリン、シュツットガルトなどの森の幼稚園を訪問し、保護者や幼稚園教師、卒園生、町の人々などの聞き取り調査など、修士論文執筆のための調査をおこなっている。森にかかわる制度を通じた森と森の幼稚園、また、社会の関係という視点から、幼少期における人と自然とのかかわりのあり方について考察し、森の幼稚園での子どもの人格形成に関する多角的な側面からの研究を目指している。

2010年04月02日 筆者: 東方真理子 

マ行