恵泉女学園大学

KEISEN Campus News by Teachers

教職員が恵泉にまつわる様々なことを紹介します。

文化学科の魅力

2006年10月10日

文化学科を分かりやすく紹介するために、麺類を取りあげます。

パスタを昔はスパゲッティーと言ってましたが、要するに小麦粉をこねて細く切ったものをゆでて食べるのです。

うどんも蕎麦もそうめんもラーメンも、それぞれ粉の成分は若干違いますが基本的には同じです。これら全てを麺類と言いますし、麺類として考えるならば世界共通の食べ物です。

ヨーロッパではパスタ、中国ではラーメン、日本ではうどん蕎麦。それぞれの地域や国の違い、文化と風習の違い、もしかすると宗教や民族の違いによって、麺類は微妙に変化しながら進化を遂げたのかもしれません。

世界に共通して見られる文化現象と異なるものを比較しながら研究するところが、文化学科です。特に世界史に興味のある人にうってつけの学科です。

文化学科主任 岩村太郎

英語コミュニケーション学科の魅力

2006年10月02日

21世紀には、国境や民族や文化を越えて、世界の人々と語り合う真のコミュニケーションが求められています。

英語コミュニケーション学科は、皆さんの夢を実現する学科です。ネイティブ教員と日本人教員の連携による少人数能力別のクラスで、楽しく効果的に英語の総合的なコミュニケーション能力をつけていきます。

高度な英語表現能力を身につける「コミュニケーションコース」英米文学や演劇などの言語芸術を学ぶ「言語芸術コース」中学・高校の英語教育や児童英語教育の技能を学ぶ「英語教育コース」の3コースがあります。

一年次の春休みには、カルフォルニア州立大学デイヴィス校で英語現実習を受けながら、多国籍社会であるアメリカへの理解を深めます。

翻訳や通訳・英語教師・国連職員などを目指して勉強してみませんか。

英語コミュニケーション学科主任 網野ゆき子

写真上:カリフォルニア州立大学デイヴィス校
   下:ホストファミリーと

日本語日本文化学科の魅力

2006年09月25日

世界にはたくさんの国があり、言語も人種も異なっていて、文化も多様です。その中で、日本とはどんな国なのか、きちんと考えたことがありますか。

この問いに本気で取り組んでいるのが、日本語日本文化です。日本についていろいろな分野から探求できるように工夫しています。

コースとしては、日本語コース、文学・創作コース、文化史コースが用意されています。

みなさんの強い探求心に十分にこたえられるように、専門科目もさまざまあります。日本語教育、国語学、古典、近・現代文学、創作、日本史(宗教、政治)、美術史など、幅も奥行きもあります。

ゼミも充実していて、少人数のクラスで発表や討論による相互成長がなされるのです。

外国語現地実習(韓国)もあります。将来、先生になる希望者には、国語教員と日本語教員の二つの資格が取得できます。また出版社やジャーナリズムを目指す道も用意してあります。

日本と海外に日本文化の専門家として羽ばたきたい若者にぴったりの学科なのです。

日本語日本文化学科主任  森田 進 

写真 上:教育実習(厚木西高校にて)
    下:外国語現地実習(韓国にて) 

生活園芸Iで栽培する野菜シリーズ(3)キュウリ

2006年09月19日

5月上旬の晩霜の心配がなくなった頃、生活園芸Iでは、畑にたっぷり牛糞や鶏糞を入れ、キュウリの苗を植えつけます。

キュウリは、インド北西のヒマラヤ山麓地帯が原産のウリ科の野菜です。日本には1000年ほど前に渡来しました。果実の約94%が水分で、栄養分はビタミンCとAがわずかに含まれているだけです。

しかし、特筆すべきは、お肌の保湿成分を含有しているということです。これはウリ科の野菜の特徴のようで、同じウリ科の「ヘチマ水」はあまりにも有名です。ということもあって、キュウリは本学の学生に人気で、収穫の時のうれしそうな顔に私も思わず感激しています。

ただし、キュウリの生長は意外と速く、1日に3cmも伸長します。キュウリの花は、雌雄別々、雄花と雌花に分かれますが、雌花が咲いたら1週間で20cmに達するのです。ですから、うっかり取り忘れると30cmにも生長し、「ヘチマ」と間違ってしまう学生もいます。

収穫したキュウリは、新聞紙にくるんで自宅に持ち帰り、新鮮なサラダや浅漬けに、また中華風で家族の会話も弾みます。恵泉の園芸は、栽培から料理まで実に幅が広いのです。

園芸文化研究所助教授 藤田 智
担当科目:生活園芸 I、公開講座など

写真1:収穫適期のキュウリ
写真2:キュウリの雄花
写真3:キュウリの雌花

ブリック・レインで「アジア」を想う

2006年09月11日

イギリスの人口が6000万人を超えたという。近年は欧州連合に加盟した中東欧諸国からの移民の流入も目立っている模様だ。

多様な背景をもつ人々を「そのまま」で受け入れる政策をとるイギリス。これ自体が21世紀地球社会の共生の実験として注視に値する。移民と言えば、イギリスはロンドンのイースト・エンド。

ざっと数えても500年、移民と長く切り離せない歴史を刻んできた街だ。その一角に今、インドやバングラデーシュといった南アジアを出自とする人々が織りなすブリック・レインがある(写真はベンガル人商店街。イギリス人が「インド菓子」を求めている)。

近代以降、南アジアと深くつながりをもったイギリスでは「アジア人」と言えば彼らのこと。イギリス全土で、その実数は全エスニック・コミュニティの半数超ともなる。キャロル・リード監督がイースト・エンドのユダヤ人コミュニティで、A Kid for Two Farthingを撮ったのが1950年代。この国の流れ、移動する人々の歴史に今は「アジア」が立ち上がる。


文化学科助教授 杉山圭以子
専門: インド近現代史
担当科目:比較文化論、地域研究入門、文化学基礎研究など

次回のブログは9月19日(火)に掲載します。