KPKA 東京大空襲・戦災資料センターを訪問しました。

2022年02月09日

2月2日(水)の午後、KPKA(クプカ:恵泉平和紙芝居研究会)は江東区にある「東京大空襲・戦災資料センター」を見学しました。紙芝居『三月十日のやくそく』をKPKAが実演するためには、東京大空襲について深く学ぶ必要があると考えての訪問でした。
東京大空襲は、1945年3月10日未明に襲来した約300機のアメリカ軍戦闘機B29からの無差別爆撃によって10万人以上の一般市民(主に女性、子ども、高齢者)が犠牲になった、世界でも類をみない大規模な空爆です。当時8歳だった二瓶治代さんに、東京大空襲と戦後の惨状についてお話しを伺い、一つひとつの展示物の解説もしていただきました。戦争を知らない私たちに手渡された平和のバトン。その重さと尊さを心に刻みながら、私たちが平和のために何ができるのか、何をすべきなのか、改めて考えさられた貴重な一日となりました。

東京大空襲・戦災資料センターのHPには「センターがめざすもの」という文が掲載されています。こちらもぜひご覧ください。

被災地図に見入るKPKAメンバー
二瓶治代さんとの対話
投下された焼夷弾を手に取って
二瓶治代さんとご一緒に

わたしのまなび

身近なところで実際の戦争の話を聞く機会は無いので、今回、東京大空襲・戦災資料センターに足を運んで、お話を伺えたことはとても勉強になりました。二瓶さんがお話してくださった幼少期の戦争体験には本当に心が痛みました。本で読んだり、教科書で学んだりするだけでは知ることのできない戦争の悲惨さ、理不尽さを知ることができました。
爆弾が落ちてきているその瞬間を、より詳しく話してくださり、その当時の光景が鮮明に伝わってきました。沢山の悲痛な叫び、あたり一面大きく燃え盛る炎、家族が生き延びるために必死になって逃げている場面、そんなリアルな情景が脳裏に焼きつきました。戦争はしてはいけないものだと当たり前のように思っていましたが、そのことを真髄から理解することができました。実際に戦争の中で生き、東京大空襲を体験した二瓶さんのお話しから、私たちは戦争について学び、知り、そして向き合うべきだと強く思いました。
今、現代に生きる私は大学で学ぶことが出来て、将来の夢を語り、ご飯も食べることができ、帰る家があり、そこに家族がいるということの素晴らしさを改めて実感しています。悲しい時代の上に今の平和が成り立っていることを忘れずに、これからは自分の言葉で平和とは何かを語れるようになりたいと思います。

(国際社会学科1年 Hanami O.)

私は、2月2日に、東京大空襲・戦災資料センターを訪れました。ここは、自宅から徒歩で行くことのできる場所にあり、幼かったとき、母に連れられて行った記憶はありました。しかし、何を観て何を感じたかは覚えていませんでした。私は、大学での秋学期に履修した「ヒロシマ・ナガサキ学」で、原爆や第五福竜丸事件など学んでいたため、今回の戦災資料センター訪問を通じて、「今だからこそ何か得られるものがあるのではないか」、「東京大空襲を改めて自分のものとして心に収めたい」、と思い見学に臨みました。
東京大空襲を体験された二瓶さんのお話で一番心に残っているのは、「戦争は、私たちが送る当たり前の平凡な生活を、ボロボロに壊す存在である。それは、街が消えるという目に見えるものだけでなく、人々の心にも、一生深い傷を残し、それを背負って生きていかなければいけない。」という言葉です。B29が東京を襲う前、B25という戦闘機が東京の荒川や銀座などに空襲の被害を与え、だんだんと日本が軍事色に染まっていき、1944年から東京をはじめとする各地で空爆が頻発したことを初めて知りました。私が住んでいる地域はもちろん、父とよく散歩する荒川の河川敷や、母と買い物する銀座の街並みも、77年前にB25が襲撃したことを知り、私の中で変化が生まれました。そして、3月10日の寒い夜に突然、空襲警報が鳴り、町中が燃え、焼けた柱や火のついた畳や布団までが飛んで人に燃え移り、バタバタと倒れ、真っ黒い墨となる様子を語ってくださった二瓶さん。8歳だった二瓶さんの思いは、私たちの想像をはるかに超え、二瓶さんにしかわからない恐怖と悲しみがあったことを想像すると私も心が痛くなりました。
戦災資料センターには、焼死体が山積みになっている様子の絵や写真が展示されていました。人々は真っ黒に焦げ、まるでモノのように積み重ねられ、空はどんよりと茶色くくすんでいました。二瓶さんは、死者の下敷きとなりながらも、生き残って助け出されました。
二瓶さんはこうおっしゃいました。

「今度は、あなたたちが歴史を作る番。今は、さまざまなツールを使って、東京大空襲などの悲惨な出来事を後世に伝えることができるし、自分の意見をしっかり発することもできる。戦争は、生きる権利を奪う。人間が行ってはならないのは、ケンカと戦争だ。これらを防ぐには、対話が不可欠になる。」

この言葉は私の胸の奥深くまで届きました。東京大空襲の悲惨さと戦争の愚かさをしっかりと心に収めることができました。そして、私たちが今何気なく過ごす時間は、とても尊いものであること、好きなことができる日常がいかに貴重であるかということを、私は改めて感じました。今日の体験の一つひとつをしっかり心にとめて、これからの大学生活に活かしていきたいと思います。

(英語コミュニケーション学科1年 S.W.)