ノーベル平和賞授与式に出席される田中照巳日本被団協代表委員と藤森俊希事務局次長のお二人から「川崎・オスロ・被爆者キャンペーン」へのメッセージを頂きました。

2017年11月08日

ICANの2017年ノーベル平和賞授賞式典に被爆者が出席する費用へのご支援のお願い

被爆者の代表の一人として田中煕巳がノーベル平和賞授賞式に参列させていただくことは、この上なく光栄なことと感動しています。

私は長崎の中学1年生で13歳の時長崎で被爆しました。被爆地点は爆心地から3.2キロメートルの自宅です。幸いに、爆心地との間に山があり、大きな被害を負うことなく、その後の放射線による後遺症に苦しむこともなく今日まで生を全うできました。

しかし、爆心地近くで二人の伯母の家族合わせて5人の命を奪われました。3日後に爆心地帯にはいり、この家族の悲惨な状況を目撃するだけでなく、爆心地から2キロ内の、この世のこととも思えぬ、地獄のような惨状を目にしました。たとえ戦争であっても、このような非人道的な残酷なことはふたたび誰にも味わわせてはなりません。そればかりか核兵器の存在は、人類生存の危機にもなりかねません。核兵器は人類と共存させてはなりません。

私は40歳代に入り、全国の被爆者団体の役員を務め、長年にわたり、原爆被害に対する国の補償と、核兵器の廃絶を国の内外で訴えてきました。私たち被爆者の運動とICANを中心とする市民社会の核兵器禁止条約の締結を求める、この十年間の密度の高い運動が、今日の核兵器禁止条約の制定をもたらしました。

この運動に対して2017年のノーベル平和賞が授与されることになりました。素晴らしいことです。この授賞式に参列する機会を与えられた被爆者の一人として、今後とも、核兵器の完全な廃絶の実現をめざし力を尽くして行く決意を新たにしています。

日本被団協代表委員 田中煕巳

米軍が広島、長崎に原爆を投下して72年目の今年、国連の下で議論を重ね、7月7日、国連加盟の6割を超す122カ国が賛成多数で核兵器禁止条約を採択しました。9月には、条約への賛同と批准が始まりました。核兵器に脅かされつづけてきた世界が、いま核兵器の廃絶を目指し核兵器禁止条約の推進に力を注いでいることは画期的な出来事です。原爆による生き地獄を体験し、いまもなお後障害に苦しめられている被爆者は「ふたたび被爆者をつくるな」と国内はもとより世界に出かけて訴え続けてきました。核兵器禁止条約が採択されたこと、日本被団協はもろ手を挙げて賛同します。

2007年以来、核兵器廃絶を訴え続けてきたICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)について、ノルウェーのノーベル平和賞授賞委員会は、「核兵器使用が人道上破壊的な結果をもたらすことへの関心を高め、核兵器禁止条約の制定に向けて革新的な努力を尽くした」「核なき世界実現に向けた新たな機運をつくったことに敬意を表したい」のべ、2017年のノーベル平和賞の授賞を表明しました。

核保有国及び核依存国が核兵器禁止条約に反対しそっぽを向いているなか、ICANの世界的運動は、核兵器廃絶の実現へ大きな推進力を発揮するものです。
今回の歴史的授賞式典に被爆者が招かれることは、2017年のノーベル平和賞の意義と力強さを示しています。

式典に参加する被爆者への平和を求めるみなさまの力強いご支援を心よりお願いいたします。

日本被団協事務局次長 藤森俊希

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