恵泉女学園大学

カウンターだより

本に囲まれて過ごす図書館スタッフの、日々のつぶやきです。感想は直接カウンターまでどうぞ。

「ただいま育成中」

2025年07月02日

   日常の食べ物のなかで、作るのはちょっと「敷居」が高いなぁ、と感じてなかなか手を出せなかった食物ベストスリーの中に入っていたのが「ぬか漬け」です。子供時代は、ほどよく漬け込まれたナスやキュウリは大好きなごはんのお伴でした。しかし「ぬか漬け」には、「壺でないと美味しくない」「毎日かき回さないとだめになる」など何かとプレッシャーを感じさせるイメージを(勝手に)感じていて、実際に始めてみる勇気がありませんでした。
 ところが最近行きつけのお茶や乾物を売るお店でたまたま「ぬか床セット」を発見。塩やこぶやトウガラシ、ミョウバン、卵の殻といった本来自分で用意すべきものも全て入っており、水を加えればすぐ「ぬか床」になるとのこと。大きめのファスナー付のポリ容器ごと売られており、これなら私でもできるかも・・・? ちょうど買い物の荷物も少なめだしと、なんとなく買ってしまったのでした。
 さっそくその日の夜、所定の量の水を入れてかき混ぜ、すでに買ってあったキュウリとナスを埋め、翌日の夜に楽しみに出して食べてみたのですが、その塩辛いこと!そういえば初めての時は、野菜くずなどをいれて漬ける「捨て漬け」をしなければならなかったのかも・・・。ナスは塩抜きして何とか食べたものの、キュウリはほとんど犠牲になりました。
 この「ぬか漬け」の容器に印刷してある漬け方の説明文のタイトルが「上手に育てるこつ」となっていたのを思い出し、確かに食べものでもないし、そうか、やはりじっくり様子を見ながら育てる「生きもの」なのか・・・。と改めて納得。最近はまぜるたびにほんのりと「ぬかみそ」らしい香りがしてきたのを嗅ぐのも楽しみになってきました。散歩させるわけでもなく、世話といっても大したものではありませんが、その「成長」を見守っていければと思っています。(A)