ひな人形のお顔

 毎年、この時期になると、図書館には"ひな人形"が飾られています。これはある方からのご寄贈のようで、子ども顔の可愛らしい木目込み人形です。図書館に入ってくると、すぐ目にとびこんでくる場所にあり、そこを通る皆さんから"笑み"がこぼれている様子をよくお見かけします。私もカウンター当番の時は同じく。そして「自分の家のひな人形も早く出してあげなければ...」と、焦る気持ちも少々。
 我家のひな人形は、娘の初節句の時にそろえたもので、子育てで大変な中でしたが母と一緒に選びました。気に入ったお顔(かしら)と感動的な12単衣の着物を着たお雛様に出会え、我家にやってきました。あれから30年ほど経ちますが、ずぼらな私にしては珍しく毎年必ず出して飾っています。昔は子供と一緒に出したりもしましたが、今でも子供の厄除けという言い伝えを信じ、短い期間だけだったり片付けが遅れたりと、反省することは多々ありますが、一年に一度は箱の外に出してあげたいと思っています。
 さて、ひな人形のお顔の話しを少し。"人形は顔がいのち"などと、どこかの人形店のキャッチフレーズがありますが、本当にその通りだと思います。やはりお顔が決め手かと思います。お顔の表情はいろいろで、図書館のひな人形も15体ありますが、全部違うお顔をしています。ひな人形を選ぶ時、皆さん何となくお子さんに似たものや、将来こんな女の子になってほしい~などの様々な思いを込めて選ぶようです(予算の許す範囲で)。我家のお雛様は、私に似てるとよく言われました。やはり馴染みのある(⁈)顔を選んでいたようです。大人になった娘は私に似ているので、将来のイメージでもあったわけですね。また、親戚のお子さんのひな人形は子ども顔の木目込み人形で、やはりお顔の雰囲気がそのお子さんにとっても似ていて可愛らしいです。最近では、リカちゃん人形のような今風のお顔のものもあったりで、それぞれイメージの合うものを選んでいることでしょう。 
 図書館のひな人形の持ち主の方(寄贈して下さった方)は、恵泉にご寄贈いただいた後も、毎年飾ってくれていることをとっても喜んでいらっしゃるようです。きっと長い間、大切にしてこられたひな人形なんだと思われます。今ではたくさんの学生や教職員に喜ばれ大活躍です!そして、このひな人形の住んでいたご家族やお子様のこと想像して、空想の世界につい入ってしてしまう私です。(S)