『エルマーの冒険』

  最近、書店の児童書のコーナーで『エルマーの冒険』を見つけました。ちょっと立ち読みしてみたらとても面白くてびっくり、挿絵もとても可愛く素敵で、離れがたくなりついに買って帰ることに。
 『エルマーの冒険』は皆さんご存じの有名な児童文学作品です。知ってはいたのですが、なぜか今まで全く読んだことがなかったのです。小学校の図書室にもあったに違いないのですが。古い記憶にかかった「もや」をかきわけてみると、子供の私にとってこの本の挿絵の竜が、どうも不気味に感じられていたらしいことを思い出しました。からだは青と黄色の縞々で、手足の裏が真っ赤な竜の子どもの姿は、いま見ればハグしたいくらい可愛いのですが、逆にこのカラフルさが子どものわたしの目には違って見えたようです。やはり本との出合いというのはタイミングがあるのだと感じます。
 しかし書店でこの本を見つけたのは、単なる偶然ではなく『エルマーの冒険』のシリーズは、翻訳されてから今年が60周年の記念の年とのこと、書店でもそのPRとしてこの作品の展示を特設していたようです。60年という息の長さに驚きます。今まで読み継がれていたからこそ、今になって私もこの作品と出合うことが出来たのだと思うとちょっと感慨深いです。この本の翻訳者は、生前多摩市に在住されていたこと、著作などを展示した常設展示スペースが多摩市立中央図書館内にあることも知ったので、ぜひ訪れてみたいと思っています。
(A)