「寝苦しい夜に」

例年より数週間といわず早く開けた梅雨に続いたのは、いきなりの猛暑でした。
まだ体が慣れないうちの猛暑で、エアコンをつけていても何か寝苦しい夜が早くから始まりました。
そんな夜が続く中、寝る前に気分転換できて、なにかリラックスできるような本を読むのはどうかと、思いつきました。しかし結構そのような本を見つけるのは、難しいことにすぐ気づきました。本当に面白い本だとやめられなくなったり頭がかえって冴えてしまいそう。色々迷って思い出したのが『いいまつがい』(糸井重里編 新潮社 2004)というタイトルの本です。この本では一般人からありとあらゆる「言いまちがい」(この本では「言いまつがい」と呼んでいる)を募って、メールで集めたものをジャンル別に分けています。
「言いまつがい」には実に色々なシチュエーションがあるのですが、いずれの場合も言った当人は、真剣、真面目そのもの、時として究極の緊張感の中にあることもあります。
プレゼンで緊張のあまり「六個」の読み方がわからなくなり、「むっこ」と言ってしまったり。               どうしてこんな聞き間違いが?!と思うもののなかでも、社会人になりたての女性が、「マーケティング部」からの電話を「まめ天狗からです」と取り次いだというケースは、その最たるものだと思いました。
 私の「言いまつがい」といえば、たいして立派なものはないのですが、図書館のカウンターで本の貸出時に、「返却日は○月○日です」とか「○月○日までにご返却ください」などと一言そえるのを、その時は、貸出しの利用者が沢山並んでいて、あまりに同じ言葉を何度も繰り返しているうちに、「○月○日までに返却します」といってしまい「お前が返却するんかい」と自分につっこみをいれたことがあります。
 そんな「言いまつがい」の世界にはまったまま、いつのまにか眠りにつく、という夏の夜がまだしばらく続きそうです。(A)