写経かもしれない

スクールバスを降りて図書館に向かう時、A棟掲示板に貼られた「御言葉(みことば)」が目に入ります。時々入れ替わるようですが、現在は、「思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。」というペトロの手紙からの引用が筆で書かれています。達筆です。

キリスト教センターのU先生が学生さんに声をかけて書いてもらっているそうですが、なぜ書道のスタイルなのか不思議に思っていました。

ある時、ふと思い付いたのです。もしや、これは写経ならぬ、写「教典」なのではないかと。一文字一文字心を込めて書くと、いつのまにか祈っていることに気づかされ、書く対象に親しみを覚えます。きっとU先生は、この効果をご存知なのでしょう。

大学生の頃、司書資格課程の授業で出会った「扇面古写経」の美しさに衝撃を受け、写経を見るのが好きになりました。でも、写「教典」が思い浮かんだのは、今年初めて写経を経験したからだと思います。想像とはまるで違いました。それは自分をコントロールする静かな闘いであり、祈りでもあり、集中することでリラックスできる特別な時間だったのです。

「御言葉」を筆で書いてみたいと思われた方は、どうぞキリスト教センターへ。(N)