「夢の傘」

 

台風が近づいていて激しくなる風雨の中や、毎日続くしとしと雨の中を傘をさしてとぼとぼ歩いている時に、「こんなにテクノロジーが進歩している時代なのになぜ雨の日は傘をさすしかないのだろう?」とふと思う時があります。そして傘をささなくてすむ方法、または傘を手に持たなくてすむ方法などをひとしきり考えるも、いかんせん出てくるのは純文科系の頭の発想によるファンタジックなアイディアばかりで、またまた無駄な時間を費やしたという結果に終わるのですが、最近テレビのぶらり散歩風番組でドローンを使った傘を研究開発している会社を訪れていました。ドローン付きの傘が、歩く人のちょうど頭上の位置を保ちつつ追尾するという仕組み。工場などで台車が列を作って人の後ろをついていったり、物流倉庫で人が移動する代わりに棚の方から移動してくれたりする仕組みは、もうあるようです。かなり前に、外国(たしかオランダ?)の図書館で、利用者のあとを椅子がついてくるというのを映像を見たときにはびっくりしたことも思い出します。平面ではずいぶん便利なことが実現可能になっているのですが、これが三次元となると話は別で、落ちたときの安全性とか持ち運びとかに始まり相当大変そうだというのは、素人でもなんとなく想像できます。でもいよいよ商品化という日に現れるドローン傘は開発段階では全く想像もつかない様な小型でシンプルデザインになっているのかも。などと想像していると「夢の傘」の実現がそう遠くないことのような気がしてきてちょっと楽しみになりました。(A)