プチ読書フェス

 最近ニュースなどでよく取り上げられた本に関する話題といえば村上春樹の新作『騎士団長殺し』の発売でしょうか?発売日の2月24日の零時きっかりに本を売り始める書店もあって、買った本をその場で読めるコーナーが特設され、実際に読んでいる人もいるのをテレビで見て少し驚きました。こんな様子を見ると到底村上春樹のファンにはなれそうもありませんが、それほど新作が待ち遠しい作家がいつもいる人がちょっぴりうらやましくもありました。テレビで見た書店は販売戦略としての文字通り「イベント」ですが、こんなイベントなしでも、村上春樹のファンにとっては新作を読むこと自体すでに充分に一大イベントなのではないかと感じます。こんな風に読書が「イベント」になることは私にも時たまあります。気になっている新刊があり、それを買ってみるかどうかは、面白そうなイベントに行ってみるかどうか考えるのに似ています。そしてイベントに行ってみた(読んでみた)人の口コミ(ブックレヴュー)を読んでみたり、身近に行ってみた(読んでみた)人がいれば感想を直接聞いたりしてみて、いよいよ自分もイベントを訪れる(本を買いに行く)週末。この場合本を手にする瞬間はリアル書店でしか味わえないものでしょう。本を読み終わるまではまだまだ続く「フェスティバル」期間です。

そんなことで盛り上がるなんてよほど人生に楽しみがすくないのかとか、図書館員なら図書館でまず予約だろうが、とか突っ込まれそうですが、時にはこんな「プチ読書フェス」もありではないでしょうか。(A)