恵泉女学園大学

カウンターだより

本に囲まれて過ごす図書館スタッフの、日々のつぶやきです。感想は直接カウンターまでどうぞ。

忘れすぎ

2025年11月05日

 これまで傘をなくした事は2、3回あるが、最後になくしたのは20年以上前だと思う。それが今年に入って三度も傘を置き忘れ、1本しか戻ってこなかった。 
 最初は長傘を、梅雨時の千代田線の車内に忘れた。次は8月に日傘(買ったばかりのお気に入り)を井の頭線の車内に。そしてつい先日、小田急線の駅のホ-ムの隅で、電話をかけようとして左手に持っていた濡れた折りたたみ傘を立てかけ、通話が終わるとそのまま電車に乗ってしまったのだった。動き始めた時につり革を持とうとして左手に傘がないことに気づき、次の駅で降り、戻って探したが見つからなかった。その日の朝は晴れており、傘を持たない人に提供することになったのかもしれない。千代田線の時は駅事務室(中の様子が分からず、ドアを開けるのに躊躇した)に飛び込み、すぐに電車を特定できたので当日中に手元に戻った。井の頭線の時は急行から各停へ乗り換えたのだが、どちらに忘れたのか覚束なく、「お忘れ物取扱所」に何度電話をかけても、届出がないと言われるばかりだった。
 忘れる、といえば老化現象だろうか。購入したものや、冷蔵庫に入れたものをよく忘れてしまう。保存した食材や作り置きのおかずが複数あるとして、3日後に残っているタッパーに何を入れたのか、ふたを開けるまで思い出さないことがたまにある。まるっきり忘れているので発見した時にちょっと得した気分にすらなる。(重症ですか?)
 お気に入りの日傘も、誰かに使われている想像をした2、3日の間はひどく耐え難かったが、そのうちにけろりと忘れていた。たぶん来年の夏には少しだけ悔しさが蘇るのだろう。良く言えば執着がない、というのは特技に入るかも。と自分に言い聞かすこの頃である。(N)