バングラデシュでの体験すべてが私をとりこに。


国際社会学科(2016年度入学生まで)卒業生

私の大学生活はまさに「人生の転機」でした。転機となったのが、2年次のバングラデシュへの短期FS。FS参加前は、南アジアにも貧困にも興味はなく、むしろアラブ世界が好きで中東に関わる勉強がしたいと思っていたほど。けれど、そこでの体験は私を180度変えるほど魅力的かつ衝撃的なものでした。

これまで見たことも感じたこともない世界。人々、気候、風景、食べ物、生活といったすべてが衝撃でした。そしてなにより、バングラで見た貧困という現実と、人々の心の豊かさ。ここでの体験すべてが私自身をとりこにしたのです。同時に、経済的に恵まれた環境に甘んじてきた自分自身への不甲斐なさと、それに気づいた自分に何かできることがあるのではないかという使命感のようなものが生まれました。この思いが、そのまま今の私自身につながっているのです。

今年の夏、さらに学びを深めたいという思いから、イギリスに留学予定です。

大学に入学する以前から、将来やりたいことが明確な人は本当に限られていると思います。私も将来の職業などまったく想像つかないまま受験した一人でした。

人それぞれ興味のあること、好きなこと、得意なことは何かしらもっているはずです。大学は、そうした個人の興味関心を伸ばす場であると同時に、新たな興味関心を引き出してくれる場でもあります。4年間のうちに人生に影響するさまざまな出来事があることは確かです。その出来事を自分の中でいかに捉え吸収するかは自分次第。良い出来事も悪い出来事も、人を成長させることには変わりありません。これから大学に進学するみなさん。自信のもてる、楽しく充実した大学生活を送れることを、心より願っています。

玉木杏奈さん 恵泉女学園大学大学院・イギリス留学予定(国際社会文化学科06年卒)

(注)2009年9月にイギリスのサセックス大学大学院を修了、社会開発などの修士号を取得し、現在、日本でNGOのインターンとして活躍しています。