学長メッセージ

大日向 雅美

ご寄付のお願い

恵泉女学園大学が1988年に多摩の地に誕生して、来年で35年になります。この間、あまたの学生が社会に巣立っていますが、最近、卒業生から次のような声がよく届くようになりました。「卒業してからこれまで、ことあるごとに恵泉での日々を思い出してきました」「草花が咲き、美しく整えられたキャンパス、私たち学生ひとり一人を大切に見守ってくれた先生方・職員の方々の思い出が心の支えでした」・・・。若い日の学びの環境が、その後の人生を支える力となることを考えさせられます。同時に女性活躍が言われている今日でもなお、社会に出てからの生きづらさに直面することが少なくないことが思われます。加えて未曾有の変化が日常となるニューノーマル時代の到来も告げられています。コロナ禍に苦しみ、平和が脅かされる厳しい国際情勢下にある今日です。聖書に学び、自然を慈しみ、世界に心を開いて、平和のために貢献できる女性の育成を目指した学園創立者河井道先生の女子教育の理念の真価が、今改めて問われています。

本学は「聖書」「国際」「園芸」の学びを礎として、「いつ、なにがあっても自分を大切にしてしなやかに強く生きる力。同時に周囲を尊び、地域や社会に尽くすことに喜びを見出す力」である「生涯就業力」の育成に全力をあげております。従来の競争的リーダーとは異なる「分かちあいのリーダー」の育成は、河井先生の女子教育にかけた祈りと願いを学問と実践の中に確かに開花させることであり、学園の高等教育部門である本学が果たすべき大切な使命と考えます。

これまで皆さまからいただいてまいりました数々の恵みに深く感謝申し上げますと共に、「生涯就業力」の充実発展のためにさらなるお力添えをいただければ有難く存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

恵泉女学園大学学長
大日向 雅美