恵泉蓼科ガーデン研修に参加した学生の声(4年生編)

恵泉女学園大学の学生は、所定の条件をクリアすると、恵泉蓼科ガーデンで研修することができます。
2016年度に研修生として、専任スタッフと共にガーデン管理を経験した学生の声を紹介します。
「恵泉誌515号(2016年度 第3号 2016年10月20日発行)」より転載

蓼科ガーデン研修に参加して

人間社会学部社会園芸学科4年 中島愛子

私は2016年8月5日~20日の15日間、蓼科ガーデンの研修に参加しました。8月14日はオープンガーデンの開催日であったため、8月5日からの10日間は、オープンガーデンに向けての準備期間で、ガーデンを公開する準備に追われました。
オープンガーデン前は除草やポット苗づくり、ガーデン内の掃除などが主な作業でした。ガーデンの植物の花がら摘み、茶・黄色に変色し汚くなった葉を取り除く作業をしている最中は、植物と距離が近く、細かいところに目が行ってしまいがちで全体の植物のバランスを見られていませんでした。結果、葉や花を取りすぎてしまい、葉の数に対して花が少なく寂しい印象を与えてしまったり、葉を取りすぎて土が露出する面積が広くなり、すかすかに感じたりしてしまいました。ガーデナーの小澤さんのアドバイスもあり、作業している場所から一歩遠ざかって観賞する側の気持ちになり、気になるところを手入れすることを心掛けました。
小澤さんは「植物のどんな姿を見せたいかでガーデンを手入れする仕事は変わる」と話していて、蓼科ガーデンでは植物の種や実を観賞するため、植物が枯れた姿もわざと残していました。管理のタイミングなど大切なことを学びました。
研修期間中も、アスチルベの泡のような花が枯れているところやギボウシの種がつき始めている姿など他のガーデンでは見られないような植物のありのままの姿を見ることができました。
オープンガーデンには、恵泉の卒業生や蓼科に住む近隣のボランティアの方、ガーデンを見に来るお客さんなど、たくさんの方が関わっています。蓼科に勤務されている小澤さんや西尾さんがその方々に対応をしている姿を間近で見て学生の立場からは、社会人としての姿が印象的でした。それは他の社会人と一緒で、周りの方との繋がりを大事にしていることが感じられました。ガーデナーだからといって植物のことだけ気遣えばいいのではなく、外部の方とよい関係を築き理解と協力を得ていくことが、蓼科ガーデンの運営を続けていくうえで重要なのだと気づきました。特にオープンガーデンの時は大勢の方がみえるので、近隣に住む方の理解が必要でした。私も運営側に回ることで様々な方の協力のもとオープンガーデンが成り立っていることを実感しました。

研修を通して、植物と向き合うときに、「自然から謙虚に学ぶ姿勢」を大事にしたいと思いました。自然の中にある植物を見ることで、どんな環境ならその植物がいきいきと成長するのか知ることにつながります。
また、素直な気持ちで植物を見つめれば、一般に言われている観賞時期以外にも、植物の美しさを見出すことができると思いました。