恵泉女学園大学

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日本国憲法を口語訳してみたら

塚田薫著 幻冬舎(323.1/T)

法律用語ってなんでわかりにくいのだろう。読まれることを拒否しているのではと勘ぐりたくなる。いや、単に私がおバカなのか。でも憲法をめぐって様々な議論があり、わかりにくい、面倒、などと思考停止しているととんでもないことになりそうな今、やはりきちんと読んでおかなければと思う。そんな思いで1人の大学生が日本国憲法を今の若者言葉で口語訳してしまった!「俺たちはちゃんとみんなで選んだトップを通じて・・・」(前文より)後半の憲法についてのコラムもスゴイ!(M)

 

忠犬はいかに生まれるか:ハチ公・ボビー・パトラッシュ

飯田操著 世界思想社(645.6/I)

犬は主人に忠実であるという本能(?)に従っているだけなのに、人間が勝手に美談を作り上げ、利用する。1人の人間に忠実ということがどんどん拡大していって、国のために仕えるお手本にされたり、動物愛護のシンボルになったり。ハチ公の銅像は戦争中の金属不足のために溶かされてしまい、生きている犬たちも家庭から軍用犬として供出させられた。犬と主人との結びつきは人々を感動させるが、一方で感動する気持ちというものはある方向へと誘導されやすい。これは洋の東西を問わないようだ。ところでふと思ったのだが、今「ハチ公」と聞いて「忠犬ハチ公」という名称を思い浮かべる人はどのくらいいるだろう?彼にとって「忠犬」の肩書きは重荷でしかないだろう。(M)

 

ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか:新美南吉の小さな世界

畑中章宏著 晶文社(910.26/N72)

『ごん狐』は、小学校の国語教科書に取り上げられ、長く読み継がれてきた作品である。この物語を学校で習った頃は、主人公の狐が撃ち殺されたことが、ひたすら可哀相でならなかった。感想はといえば、ただそれだけで、作者である新美南吉の人となりも知らず、物語が持つ意味も深く考えることはなかった。この本をきっかけに、新しい『ごん狐』への旅に出てみませんか?(Y)

 

占いにはまる女性と若者

板橋作美著 青弓社(148/I86)

「男性、老人は占いにはまりにくいのだろうか」という疑問はひとまず置いておくとして、我が身を振り返ると、インターネット、雑誌、テレビなどの占いに一喜一憂している自分がいる。街の占い師が繁盛するのも、雑誌に必ずといってよいほど、「今週の運勢」の類が掲載されるのも、それだけ需要があるからだ。本書は、占いにはまる心理について丁寧に検証しており、巷に溢れる占いと上手につきあうためにも、大いに参考になろう。(Y)

 

フェアトレードのおかしな真実:僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た

コナー・ウッドマン著 英治出版(678.2/W)

原書のタイトルはずばり「アンフェアトレード」。地元ホテルのランチのために「とびきり新鮮な」魚を提供する漁師自身は、モロッコから輸入された干し魚を食す。カメルーンで見たそんな実情に衝撃を受け、著者の「アンフェアトレード」調査の旅は始まった。旅先々で出会う過酷な「フェアトレード」製品の舞台裏。それらの製品には私たちのバックの中にあるものも含まれているかもしれない。真の「フェアトレード」への解決には、私たち「消費者」の賢明な行動と、その責任がますます問われるものとなるのだ。(A)

 

スズメ:つかず・はなれず・二千年

三上修著 岩波書店(488.9/M)

今朝すずめを何羽見かけましたか?ところでそのくちばしは何色(答えは本書のクイズにあり)?誰でも知っていて、近しい存在のイメージはあるけれど、意外に謎の多いというその生態、そして文学、美術におけるスズメ、雀神社、さらには、スズメを食す、スズメの薬効など宗教や文化と雀、そして「スズメの未来」に至るまで、日本中のスズメの数を数えた著者の愛情のこもった楽しい「ザ・スズメ」。(A)