浅見彰宏著 コモンズ(615/A)
高齢化、後継者の不足などで、農業従事者が年々減っている。このままでは日本の農業は衰退の一途を辿るのではないか、と懸念していたところ、一念発起して、就農する人たちが出始めている。何とも頼もしい限りである。本書は、エリートサラリーマンをやめて会津の山村に引っ越した一人の農園主の日々を綴ったもの。頼もしい!(Y)
岡田富雄著 文芸社(383.5/O)
40年もの長きにわたって化粧品の研究を続けてきた著者が、その専門的見地から和歌や小説を読み解いてみると、いろいろ面白いものが見えてくる。美白、お肌のトラブル、紫外線など、女性にとって(男性も?)身近な話題が取り上げられており、楽しく読める一冊。それにしても、昔の女性も美や若さをを保つのに苦労していたのですね。(Y)
阿部珠恵、茂原奈央美著 辰巳出版(365.3/A)
しばらく前までは自分のスタイルでひとりで暮らすことがもてはやされていたと思う。一人でなければカップルか。ところが今、仲間とのシェアハウスが増えてきている。テレビなどでもよく紹介されている。形態も様々で全くの知らないもの同士だったり若者とお年寄りが一緒だったり、性別も関係なしなど。もちろん共同生活につきもののトラブルもある。実際にシェアハウスに住む人々を取材し、新しい暮らし方への可能性を探る。(M)
和久井みちる著 あけび書房(369.2/W)
生活保護の「不正受給」などバッシングのニュースが目に付く。でも生活保護を受けている人たちの生活を私たちはどれくらい知っているだろうか。この国では「健康で文化的な最低限の生活」を保障されていてそのための生活保護なのに、受給者になるとその生活は制限だらけ。少しの楽しみも許されないような。ケースワーカーに恋愛禁止と言われた人もいるそうだ。著者はDVの夫から逃れるために家を出て、うつ病にもなり、生活保護を受けた。様々な事情を抱えて生活保護を受けている人々の現実をわかりやすく伝えている。(M)
ペギー・オレンスタイン著 東洋経済新報社(367.6/O)
「お姫様」ほど日常生活において非現実的なイメージ、存在も無いのではなかろうか?これを自分の理想像にするのはかなりナンセンスな感じさえする。しかし本書にある様に、ディズニーアニメや人形玩具など様々な媒体によって巧みにお姫様願望は刷り込まていくのであり、その結果長じて挫折感を味わった女性達は、鬱病や摂食障害に陥り易いという。そういえば子供時代のお絵かきの題材に「お姫様」を一度は描いた記憶はある。が、その理由は?と言われると・・・。実は他人事ではないのかも。(A)
工藤啓著 エンターブレイン社 (367.6/K)
順調に大学まで卒業、しかし仕事に就けない、就けてもすぐやめてしまう。仕事の「つまずき」から立ち直れぬまま。その様な「大卒ニート」が増え、社会問題化しつつあるという。本書の各章に登場する彼ら同様、「つまずき」の中身は人それぞれ異なるもの。しかしその立ち直りに大きな役割を果たすのが「人とのつながり」との著者の指摘は、示唆に富むものではなかろうか。(A)