恵泉女学園大学

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図書館

ポーランド孤児・「桜咲く国」がつないだ765人の命

山田邦紀著 現代書館(234.9/Y)

書名をみて、すぐに、以前テレビで放送された『ワルシャワの秋』という番組に思い至った。「第一次世界大戦中に、ポーランドの孤児たちが日本赤十字社の尽力によりシベリアから救出され、日本に送られて手厚い保護を受け、無事祖国に帰り、今でも交流が続いている」といった内容であった。そもそも何故彼らがシベリアに?という疑問については、ポーランドの過酷な歴史が背景にあるのだが...。ポーランドと日本の繋がりを知る上でも欠かせない心温まるエピソード。(Y)

 

シェールガス革命とは何か:エネルギー救世主が未来を変える

伊原賢著 東洋経済新報社(568.8/I)

石油に代わる新しいエネルギー資源として今最も注目され、アメリカではその生産量が飛躍的に増加しているシェールガス。昨年の3.11により、従来のエネルギー政策の見直しを迫られている我が国においても、大きな関心が寄せられている。本書は、シェールガス全般について分りやすく解説、その長所だけでなく、問題点にも言及している。(Y)

 

くさかんむり

文:池藤あかり 写真:野呂希一 青菁社(821.2/I)

くさかんむりの感じを選び、字の意味やそれにまつわる小話、関連する熟語を集めたものです。くさかんむりのつく漢字で知らないモノがたくさんありました。写真もきれいなものが多いので、ぜひ手に取ってみてください。(T)

 

見えない人こそよくみえる

速水基視子・速水洋著 生活書院(369.2/H)

視覚障害者の方のガイドヘルプをする際の注意点やタブーがよくわかります。一口に視覚障害者といっても一人一人障害の程度が違っていて、ガイドをする際に何をしてもらいたいのか、ガイドヘルパーが何をすればその視覚障害者が喜ぶのか、自分の視点で考えるのではなく、相手の立場に立って考えることが必要です。押しつけにならない「思いやり」や「優しさ」についてもよくわかる本です。(T)

 

犬のココロをよむ:伴侶動物学からわかること

菊水健史・永澤美保著 岩波書店(645.6/K)

住宅事情から犬を飼えない私にとってはまことに「罪な」本である。全編犬への愛情にあふれている。この本で初めて知ったことはたくさんあるが、例えば、哺乳類の中で白目と黒目がはっきりと分かれているのは人間とオオカミ、犬などに限られていて、それは共同作業をするときにお互いの意図を理解するためだという。だから人は犬の目に魅せられるのだといわれると犬の目を覗き込みたくなる。といって飼い主でない人間がいきなり犬の目を見たら、警戒されてしまうだろうが。そのときはこれも本書にあったのだが、しっぽが右に振られているか、左かを見ればいいのかも。(M)

 

オーガニック・アメリカンズ

トム宮川コールトン著 木楽舎(615/C)

アメリカの農業というと偏見かもしれないが、収量を増やすために遺伝子組み換えをするとか、農薬を大量に使うなどのイメージがある。しかし、この本で紹介されているオーガニック農家の人々は自分の宗教観に基づいていたり、夜遊び三昧の生活から足を洗って農業にはいったりとその背景は様々ながら、大量生産・大量消費という現代社会を作り変えようという思いで奮闘している。全米では1%にも満たないオーガニック農家ではあるが、世界中でこうした動きが少しずつでも広がっていったら新しい未来が開けるような気がする。(M)

 

家庭料理の近代

江原絢子著 吉川弘文館(383.8/E)

江戸時代以前は「ハレの日」の特別料理はあっても、日常の食事に変化を求める意識は無かったという。今の様に朝昼晩の食事の組み合わせや、メニューのバラエティーへの気配りは、明治時代の西洋料理書の影響から始まる。新しい料理やその技術が家庭に浸透していく様子を当時の主婦の日記や料理学校の実習の記録、当時の料理雑誌などの豊富な具体例で読み解いていく。「30銭を15銭で出来る節約おかず」などが当時の料理雑誌にすでに紹介されていたり、史料そのものの面白さも。  (A)  

 

プラスチックスープの海:北太平洋巨大ごみベルトは警告する

チャールズ・モア, カッサンドラ・フィリップス著 NHK出版(519.4/M)

大量消費社会の必然の様に生じる大量のプラスチックゴミ。投棄されたものは、その移動の過程で細かく粉砕されながら海洋や土壌に混入し、放牧された家畜の誤食を招き、また食物連鎖にも入り込んで野生動物たちの無惨な死を招いている。ボトルキャップ、ポリエチレン袋など、私たちの日常に余りにも身近なだけに、それらが動物達の「死因」として体内から現れる有様はかなりショッキング。しかしこの現実から目を背けることは許されないのだろう。プラスチックの歴史、ゴミとしての現状、そしてこれからのエコロジカルな解決策も検討されている。(A)