恵泉女学園大学

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なぜ、フランスは一目置かれるのか:プライド国家の流儀

山口昌子著 産経新聞社(293.5/Y)

「フランス」といえば、ファッション、料理といった言葉がすぐ浮かぶように、文化の側面が強調されがちである。しかし、それと同時に、軍事大国、原発推進国であるという別の顔があることも忘れてはならない。21年にわたって新聞記者の特派員としてフランスに滞在した著者が、フランスの今について、硬派のフランスをリポート。フランスが大国と呼ばれる理由の一端が見えてくる。(Y)

 

新島八重:愛と闘いの生涯

吉海直人著 角川書店(190.28/N72)

同志社大学の創立者である新島穣の名はよく知られているが、その妻である八重については、寡聞にして知らなかった。幕末の会津(福島県)に生まれ、女ながらに銃を取り、会津城下で新政府軍を相手に勇敢に戦ったと聞けば、それだけで何やらわくわくしてくるではないか。東日本大震災で被災した福島を元気づけるという意味合いも込めて、来年某大河ドラマで取り上げるとのことで、今から予習しておくのもよいかもしれない。(Y)

 

アイスクリームの歴史物語

ローラ・ワイス著 原書房(383.8/W)

みんなが大好きなアイスクリーム。アイスクリームを食べると脳の快楽信号を発する領野が刺激されて幸福感が生じると言われている。そんなアイスクリームの歴史は、多くの努力といくつかの素敵な偶然で出来ている。(T)

 

図説英国執事:貴族をささえる執事の素顔

村上リコ著 河出書房新社(233.06/M)

週26ポンドで雇える人間警報器として雇われた執事の話。「自分の部屋はなく、作業室(パントリー)で眠る。戸棚から引き出す折りたたみ式のベッドがあって、降ろすと金庫の扉をふさぐ形になる。これはもし、泥棒するつもりの人間が来ても、寝ている私ののど笛をかっ切らなければ、金庫には触れないということです。つまり私は、家の人間に何らかの警告を伝えることを期待されていたというわけです。自分の命が尽きる前にね。」そのほかいろいろ当時のことが分ります。(T)

 

福島飯舘村の四季

烏賀陽弘道著 双葉社(543.5/U)

書名を見ずにページをめくったならたくさんの美しい写真、懐かしい風景に心が和むだろう-しかしそれらの写真と写真の間を埋めるのは飯舘村の置かれている厳しい現実を示す地図や線量計の写真、文章。人間がはいれなくなってしまったためにかえって自然がそのままの姿で残されていく。もしかしたら遠くない未来、ここだけに「自然」が残っているということになるのだろうか。それとも放射能はその見かけだけの「自然」の姿もむしばんでしまうのだろうか。怖く、哀しい。(M)

 

知事は何ができるのか:「日本病」の治療は地域から

嘉田由紀子著 風媒社(318.2/K)

知事は住民から直接選ばれるのでもしかしたら首相よりも「エライ」のだろうか。といっても議会の多数派の政党出身でなければ、どんなに圧倒的な支持を得て当選しても身動きが取れない。また、国とのパイプがないとうまくいかないというような話も聞く。知事にはどのくらいの力があるのだろうか。著者は琵琶湖と人々の関わりを研究するつながりから滋賀県の知事になった。その経験を生かして政治を身近なものとすべく、独自の政策を展開している。国はなかなか動かないが地方が動くことで変わっていくかもしれない。(M)

 

殺処分ゼロの理由:熊本方式と呼ばれて

松田光太郎著 熊日出版(480.7/M)

「殺処分」とは、捕獲されて引き取り手の無いペットを動物愛護センターなどが「安楽死」させる事である。「熊本市動物愛護センター」はこの殺処分数を限りなくゼロに近づける事に成功した。「熊本方式」と呼ばれてはいるものの、必要とされるのは制度を司るものの意識の改革と、それを現実に移すための地道な努力以外に無いと言うことを改めて教えられる。(A)

 

ケーキの歴史物語

ニコラ・ハンブル著 堤理華訳 原書房(383.8/H)

「ケーキ」という言葉から私たちが連想する「甘い、柔らかい、スポンジ状」の食べ物というイメージは、実は18世紀半ばごろになってからの話。ではそれ以前の「ケーキ」が意味する食べ物とは?国ごとにどんな違いが?パンなどの他の食べ物と区別する境界線は?などなど、その言葉の響きの魅惑(ついこの本を選んでしまった原因でもある)とは裏腹に、「ケーキ」の「定義」は思いのほか難しいようだ。しかし美味しそうな多数の絵、写真は期待どおりです。(A)