恵泉女学園大学

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マリー・アントワネットの宮廷画家:ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯

石井美樹子著 河出書房新社(723.35/V)

ヴィジェ・ルブランは、18世紀後半から19世紀前半にかけてヨーロッパで活躍した女流画家である。しかし今ではすっかりその名も色褪せてしまって、知らない人の方が多いかもしれない。かの悲劇の王妃マリー・アントワネットお抱えの宮廷画家であった、と言えば分かりやすいか。男女平等は夢のまた夢の社会の中で、その持てる才能を存分に開花させ、激動の時代を生き抜いた一人の女性の姿に、同性として感嘆の念を覚える。(Y)

 

すぐそこにある貧困:かき消される野宿者の尊厳

小久保哲郎・安永一郎編 法律文化社(368.2/S)

先頃の厚生労働省の発表によれば、2010年の日本の貧困率(年間所得112万円未満)が16パーセントに達したという。かつては「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、日の出の勢いであった日本。あれは束の間の夢に過ぎなかったのか。収入の道が絶たれれば、最悪ホームレス=野宿者となる。3.11大震災を経た今、更に厳しい状況にあると思われ。深刻な内容だが、こうした事実について目をそむけてはならない。勿論自らへの自戒も込めて。(Y)

 

悲しみの中にいる、あなたへの処方箋

垣添忠生著 新潮社(490.1/K)

国立がんセンターの総長をしていた医師(筆者)の妻ががんでなくなり、死別悲嘆の経験者としてどうやって立ち直ったのか自身の経験を通して見えてきたイロイロなヒントが書かれている。(T)

 

天才と発達障害:映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル

岡南著 講談社(141.8/O36)

大まかに分けて視覚優位と聴覚優位に分かれる認知の仕方。それによって一人のひとの印象が変わってしまう人間の感じ方の不思議さ。映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロルなど興味深い事例が出ています。(T)

 

反撃カルチャー:プレカリアートの豊かな世界

雨宮処凛著 角川学芸出版(361.8/A)

怒りの声をあげたいことは山ほどあるのにこの国は静かだ。なぜ日本人は怒らないのか、とよく言われる。どう頑張っても何も変わらない、変えられない、という無力感、さらには変えようとしたときに予想される圧力への過度の恐怖・・・。本書はそんな空気が蔓延するこの国のあちこちで「反撃」を始めた人々の報告である。末尾の対談にある「怒るためには自己の肯定感が必要」という言葉は重い。(M)

 

日本の刺青と英国王室:明治期から第一次世界大戦まで

小山騰著 藤原書店(383.7/K)

表紙は前で腕を組んだ女性の上半身の写真。柄物のドレスと思いきや・・・これが刺青!胸も腕も。今でこそタトゥーなどとファッションのようにもみなされているが、やはり刺青というと引いてしまう。ところが明治時代英国の王室関係者の間では日本訪問のときに刺青を入れることが流行っていたらしい。西洋に追いつこうとしていた日本では刺青を野蛮な風習として禁止していたが、逆に西洋の人々の目には日本の刺青は精巧で素晴らしいものに映ったようだ。掲載されている刺青の写真は確かに見事だがからだに彫るなんて・・・痛い!(M)

 

ミネラルウォーター・ショック:ペットボトルがもたらす水ビジネスの悪夢

エリザベス・ロイト著 河出書房新社 (588.4/R)

水道の水の安全を疑って飲まない。かわりにミネラル・ウォーターを買う。その結果水道局の収入は減少し、水道施設が劣悪化、ますます水道水を飲まなくなる。こんな悪循環がインドでは既に現実のものとなっているという。しわ寄せはミネラル・ウォーターの買えない貧しい人々に。日本も他人事ではない。ひときわ喉の渇く酷暑の到来。その日々の飲み水の「選択」に、明日の「水問題」の行方がかかっているということか。(A)

 

家族新聞

浅田政志著 幻冬社(367.3/A)

そもそも家族とは?という問いは理詰めで考えればとんでもない「難問」になってしまう。「なに?」はとりあえず置き、「家族の数だけある家族のかたちを取材してみよう」という意図の元にこの本は作られた。言葉のみでのピント合わせの難しい「家族像」をカメラの視線が見事にカバーしている。(A)