恵泉女学園大学

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「嫌消費」世代の研究:経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

松田久一著 東洋経済新報社 (365/M)

嫌消費世代とは、収入があってもお金を使わない、バブル後期世代(1980年近辺生まれ)のことだそうだ。車も買わず、煙草も吸わず、外食もしない-全てではないにしても、この世代にはそういう若者が多いということなのだろう。経済の活性化の側面からいえばこうした世代の出現は大問題だが、それでは消費は美徳なのか、という点についても考えさせられる。(Y)

 

「女装と男装」の文化史

佐伯順子著 講談社(367.2/S)

昨今は、ドレスを身に纏いお化粧をした、女性よりも女性らしい(!)男性が出現し、アイドルとして持て囃される時代である。女性が男装をし、男性が女装をする-かつては周りから奇異な目で見られたものだが、こうした異性装は、古今東西、さほど珍しいことではない。本書では、文学・漫画・映画・演劇など、様々なジャンルの作品に登場する男装の女性、女装の男性を取り上げる。さて、貴女は何人知っていますか?(Y)

 

ぼくが歩いた東南アジア

村井吉敬著 コモンズ(292.3/M)

33年にわたり、著者が歩いた東南アジアの暮らしの様子を、著者が撮った写真を多用して解説しているので、大変わかりやすい解説書。 (T)

 

花粉症のワクチンをつくる!

石井保之著 岩波書店(493.1/I)

スギ花粉症ワクチン研究グル-プのリーダーである著者が、根本治療を可能にする究極のワクチン開発の最前線を紹介する。 (T)

 

怪しい科学の見抜きかた : 嘘か本当か気になって仕方ない8つの仮説

ロバート・アーリック著 草思社(521.8/B)

「科学的に立証された」という言葉がつくと、なんとなく信用してしまう。でも、それが本当かどうかを客観的に判断する能力が常に「私」にあるとは思えない。「あれ?」と思った時に判断するための考え方を示してくれている。(N)

 

ハタチの原点 : 仕事、恋愛、家族のこれから

阿部真大著 筑摩書房 (367.6/A)

1980年代から2000年代の間の、若者文化を社会情勢と共に分かりやすく解説してくれる。自分自身の時代のことから、今の時代のことまでが俯瞰できる。テーマ別になっているところも読みやすい。現代の「生きにくさ」の原因が浮き彫りにされる気がする。(N)

 

シートン:子どもに愛されたナチュラリスト

今泉吉春著 福音館書店(402.8/S)

子どものとき「シートン動物記」が大好きだった。狼王ロボとか銀ギツネとか・・・。その頃は出てくる動物たちが、あまりにも賢かったり愛情にあふれていたので物語と思って読んでいたと思う。けれどもそれらはシートンの細かい観察にもとづいて描かれた動物たちの本当の姿だったのだ。本書にはシートンの手によるイラストや写真がほとんど全てのページに載っていて、眺めるだけでも楽しい。(M)

 

裸でも生きる:25歳女性企業家の号泣戦記

山口絵里子著 講談社(598.2/Y)

著者はフェアトレードという名のもとに品質が悪くても商品が購入され、結果として使われずにしまいこまれるような状況に疑問をもつ。そして、消費者がかわいい、欲しいと思うような「途上国発のブランド」を作ろうと決心する。もちろん道は平坦ではなかったが、今やこのブランドの商品は百貨店で販売されるだけでなく、直営店もオープンしているのだ。ちなみに私もここのバッグを持っています。(M)

 

私が見た戦争

石川文洋著 新日本出版社 (748/I)

平和の日常にも不幸や悲しみはある。しかし今の日本は「不景気で自死する人も多く、自然破壊も進んでいる。それでも戦争をしている国と比較すると限りなく豊かである。」。石川氏は、沖縄に生まれ、ベトナム、ラオス、カンボジアの生の戦場に身を置いた。前年にアフガンを訪れた後、5ヶ月の日本縦断の旅を終えた時のこの言葉は、どんなに強く噛みしめても、過ぎることはないのではないだろうか。(A)
 

 

薬物依存をのり越えて

和田明美著 新水社(367.6/W)

本書で扱われている若者の薬物依存、摂食障害、援助交際は一見すると共通点に乏しくも見える。が、他者から肯定してもらえない時の不安や虚無感を埋めようとする衝動ゆえ、という共通した病根をもっている。それはつきつめれば他人の評価に自分の生死を預けしまうという余りにも受け身な生き方にも見えるのだが、事例からは渦中の当人だけでは対処できない困難さ、協力者の大切さが伝わってくる。    (A)