恵泉女学園大学

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図書館

フランスのマンガ

山下雅之著 論創社(726.1/Y)

初めてフランスのマンガ(バンデシネ)を見たとき、日本の漫画に慣れた身にはかなり違和感があったものだが。今、フランスの書店に行けばマンガコーナーがあって若者たちで賑わっており、コミックマーケットも開かれている。何故日本のマンガがかくも人気を博しているのか、その背景を探る上でも、フランスのマンガの歴史を紐解くのは面白いかもしれない。(Y)

 

絶対貧困 : 世界最貧民の目線

石井光太著 光文社(368.2/I)

世界の、1日1ドル以下で暮らす人々について、「スラム編」「路上生活編」「売春編」の3つに分けて、彼らと生活を共にした著者が語る。読み進んでいくうちに、「貧しい人々」などという言い方は失礼なのではないかと思えてきた。皆、とにかく生きてゆくことに一生懸命で、たくましささえ感じる。「日本では貧困家庭が増えている」というけれど...この本を読むと、「貧困」とは何なのか改めて考えさせられた。(Y)

 

コスメの時代:「私遊び」の現代文化論

米澤泉著 勁草書房(383.5/Y)

ガングロ、目力、プチ整形といった90年代の化粧ブ-ムを経て、化粧は確実に身だしなみから自己表現へと移り変わっている。美人に生まれるのではなく、美人になる時代、つまり。女のボディは磨き上げて自分で作るもの、美とは後天的に獲得されるものになりつつある。(T)

 

「使い捨てられる若者たち」は格差社会の象徴か

原 清治・山内乾史著 ミネルヴァ書房(371.3/H)

企業・採用者側からではなく、休職者側から見た問題を、学力を軸に考えたもの。(T)

 

科学の落し穴:ウソではないがホントでもない

池内了著 晶文社(404/I)

「ウソではないがホントでもない」。世の中にはそんなことがあふれている。CGや合成技術を使って正に本物と思える映像を「作る」ことが可能になり、統計などはどの視点で利用するかによって同じ統計が全然別の結果を「客観的に」証明することになったりする。私たちは、マスコミやテレビから流される情報を鵜呑みにすることなく、その裏を考えることが必要だろう。本書は、科学エッセイだが、社会批判書でもある。(N)

 

「かわいい」の帝国 : モードとメディアと女の子たち

古賀令子著 青土社(383.1/K)

「かわいいってどういう意味だろう?」と改めて語義を知るべく広辞苑を調べて、一番目に出てきた意味がなんと「いたわしい。ふびんだ。かわいそうだ。」であった。語源に近い順から意味が説明してある広辞苑なので、「かわいい」は初め、このような意味だったのだ。それから「愛すべきである」。次に「小さくて美しい」という意味が順に列挙されている。今の「かわいい」はもっと沢山の意味を含んでいる。(N)

 

ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」

高瀬毅著 平凡社 (319.8/T)

同じ原爆被害にあいながら長崎の原爆記念日は広島と比べていろんな面で扱いが小さいとは以前から感じていたが、被害の程度や広島が最初だったことなどのためかと思っていた。 「劣等被爆都市長崎」という言い方は衝撃的である。政治や宗教がからむ複雑な事情が後世への記念物となるはずだった原爆の廃墟を撤去させ、広島とは異なった道を歩ませることになったのである。(M)

 

おカネが変われば世界が変わる:市民が創るNPOバンク

田中優編著 コモンズ(338.7/T)

私たちがどんどんモノを買うことでお金が流通し、経済が活性化し、景気もよくなる-らしい。理屈ではそうなのかもしれないが、何か違和感がある。といって貯め込むだけというのもお金本来の目的とは違うような。NPOバンクは市民の活動に出資することで、市民のための新しい経済、新しい共助の世界を創り出そうとしている。(M)

 

日本名庭園紀行

阿部茂著 竹林館(629.21/A)

なんといっても京都府が圧倒的に多いが、日本全国の各庭園を写真入りで解説。簡潔だが小説中での描写など、各庭園の個性を生かした解説となっている。冬に晴れ間の多い東京で、庭園巡りはいかがですか?(A)

 

江戸の病

氏家幹人著 講談社(498.02/U)

あなたはインフルエンザが好きですか?「お染風」「ねんごろ風」「お世話風」。これらは全て江戸の人々がインフルエンザにつけた愛称ともいえる名前。病にさえも白黒つけない彼らこそ真の「アナログ人間」と言えるのかも。 (A)