渡辺雄二著 緑風出版(576.5/W)
私たちはいつからこれほどまでに「白い」「よい匂い」「清潔」etc.にこだわるようになったのだろう。用途別に様々な洗剤類が存在し、結果として台所や浴室などにそれぞれ違う洗剤が並ぶ。この問題はかなり以前から指摘されているのに状況は変わらないどころか、より「特殊な」洗剤(例えば部屋干し用とか)が登場しているのが現実である。著者は無添加石鹸があれば十分と主張する。 (M)
谷徹、今村仁司、マーティン・ジェイほか著 筑摩書房(361.3/B)
暴力は、人間を構成する精神の一部分より生ずることは間違いないだろう。闘争心・反抗心・何かに精進する心・名誉や成功を求める心。こういった「心」と「暴力」は不可分に思える。が、このような心を失くしてしまえば、「人間」と言えるのだろうか・・・。「暴力」を様々な分野から考察する本書は、何らかの示唆を与えてくれるだろうか、それとも更なる混沌へと誘うのか。(N)
大野和興, 西沢江美子著 七つ森書館(611.3/O)
喉元過ぎれば熱さを忘れる-昨年1月に起こった中国製冷凍餃子事件を皮切りに、老舗による賞味期限偽装、汚染米等、食をめぐる問題が次々と発覚し、大いに世間を騒がせた。あれ程ニュースで取り上げられたのに、時がたてば、こうした事件は遥か記憶の彼方。「食と農」をめぐる様々な問題を取り上げた本書は、再び食について考えるきっかけを与えてくれる(Y)。
池田晶子著 毎日新聞社(114.2/I32)
「地球より重い」と言うかと思えば、ただの数字になったり。死や命を表現していても、それらは所詮「他人の死」を語っているに過ぎない。たった一度の「わたしの死」とは?悩める凡人に、思考の活路を開いてくれそうな一冊。(A)
下山晃著 ミネルヴァ書房(366.3 / S)
私たちの身の回りにある日用品や慣れ親しんだ「当たり前」な商品が、世界各地で子供の強制労働・奴隷労働に結びつき、その奴隷としての子供の人口は、歴史上最も多数といえる現状がある。(T)
鶴岡真弓著 理論社(383.8/T)
この間まで開催されていた阿修羅展の人気はすごかった!あの少年の表情やポーズが多くの人をひきつけたのだが、著者の言うとおり、阿修羅のきらきら光るジュエリーに注目してみよう。彼はたくさんの装飾品を身にまとっているのだ。阿修羅から始まり世界中のジュエリーをたどる旅は、飾りや装飾品が決しておまけなどではなく、重要なメッセージのこめられたものだということを教えてくれる。 (M)
トーマス・フリードマン著 日本経済新聞出版社(519/F)
トヨタのプリウスに代表されるグリーン・テクノロジーで日本が世界をリードする日は近い。だが、アメリカと世界は環境規制、排ガス規制、省エネ基準を強化する政策を採用し、日本を追いかけようとしている。オバマ大統領も熟読し、主要政策に反映させた現代人の必読書。(T)
梶原容子著 白水社(498.02/K)
女性産婦人科医によるアフガニスタンでのNGO医療活動の記録である。奥付にあった編集部の一文「アフガニスタンの諸情勢を考慮し、著者名、地名、人名などはすべて変更してあります。」を読んだときの衝撃。「ちょ、著者名まで変えてあるのぉ!!」と。彼の地の平和はまだ遠い。(N)
辻田啓志著 つげ書房新社(369.3/T)
この7月21日、山口県に降った集中豪雨は、特養ホームを直撃し、多くの被害を出した。大変痛ましい限りだが、雨の多い日本では、過去にも同様の水害が起こっている。これは天災なのか、それとも人災か。今日、日本の山や森林が抱える問題を取り上げる。(Y)
片桐新自著 世界思想社 (377.9/K)
20年前といえば、恵泉の図書館で働き始めた頃(私ごとですが)。その間学生はどう変わったのか?初めは自分自身も学生に毛がはえた程度だし、現場での変化を客観的に見るのは、結構難しい。IT環境と学生の友人関係など、学生の現状理解の一助としても、すぐに役立ちそうな内容。(A)