恵泉女学園大学

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恵泉蓼科ガーデン

初秋(9月)

心地よい季節

空も高くなり、晴れた日は澄み切った青さで作業していても心地よい季節になってきます。9月からはグラスボーダーがお勧めです。

初秋のガーデンで一番の魅力を出すのがこのグラスボーダー。春先、芽吹く前にていねいに刈り込むだけで、後は自分たちの力でここまでたくましく育ってくれます。

初秋の植物

8月下旬よりホップの実がだんだんと大きくなってきます。数年前までは蓼科の空地でも野生のホップを見ることが出来ましたが、最近ではほとんど見ることが出来なくなってしまいました。・・・なぜかわかりません。

ホップ

バラの実

サンショウバラとロサ・ミクルゴーサのバラの実が9月上旬より見ごろとなります。日本の原種のバラでもあるサンショウバラ(Rosa hirtula)は刺のある大ぶりの実をつけます。早々と枝から落ちてしまい赤く色づくことがありませんが、少し黄色っぽく熟した実は、さわやかな甘い香りを放ちます。この実を焼酎につけてサンショウバラ酒もできるそうです。

サンショウバラとハマナシの自然交配種である、ロサ・ミクルゴーサ(Rosa micrugosa)は、サンショウバラに似た刺のある実をしています。こちらの実にはそれほど香りはありませんが、オレンジ色に色づく実は真冬まで楽しめます。

サンショウバラの実

バラを選ぶとき、花ばかりにとらわれがちですが、その実も面白い素材です。秋から冬にかけて花の少なくなった時期は、赤やオレンジ色に色づくバラの実を是非、庭に取り入れてみてください。

ロサ・ミクルゴーサの実

真っ白だったミナヅキの装飾花は寒さにあたることで次第にピンク色に染まります。

9月下旬のホワイトガーデン

初秋のボーダーガーデン

秋は心和む季節です。蓼科の夜温も急激にさがり、朝露がおりやすい季節になってきます。植物たちも紅葉の準備を始めています。緑色をしていた葉がだんだんと色褪せ、また秋色に色づいていく過程は、絶妙な色のバランスで、自然の神秘を感じます。木の葉の香りや実の色、落ち葉の中を歩く音など、感じ入るものは様々です。五感と心を使って、秋のガーデンを楽しみます。

深まる秋の植物たち

10月に入ってから樹木園内で咲きだします。黄葉した樹木園の中で紫色の花がいっそう映えます。

トリカブト

種を遠くに飛ばすために羽がついたカエデのタネも赤く色づきだします。

カエデのタネ

カツラは紅葉も素敵ですが、この木の落ち葉から漂う甘い香りがたまりません。皆、「この香り、何?」というほど、おいしそうないい香りです。甘く香ばしい感じがべっこう飴の香りに似ています。

カツラの紅葉

写真 文 : 小澤文子、荘司真悠子