初秋のガーデンで一番の魅力を出すのがこのグラスボーダー。春先、芽吹く前にていねいに刈り込むだけで、後は自分たちの力でここまでたくましく育ってくれます。
空も高くなり、晴れた日は澄み切った青さで作業していても心地よい季節になってきます。9月からはグラスボーダーがお勧めです。
サンショウバラとロサ・ミクルゴーサのバラの実が9月上旬より見ごろとなります。日本の原種のバラでもあるサンショウバラ(Rosa hirtula)は刺のある大ぶりの実をつけます。早々と枝から落ちてしまい赤く色づくことがありませんが、少し黄色っぽく熟した実は、さわやかな甘い香りを放ちます。この実を焼酎につけてサンショウバラ酒もできるそうです。
サンショウバラとハマナシの自然交配種である、ロサ・ミクルゴーサ(Rosa micrugosa)は、サンショウバラに似た刺のある実をしています。こちらの実にはそれほど香りはありませんが、オレンジ色に色づく実は真冬まで楽しめます。
秋は心和む季節です。蓼科の夜温も急激にさがり、朝露がおりやすい季節になってきます。植物たちも紅葉の準備を始めています。緑色をしていた葉がだんだんと色褪せ、また秋色に色づいていく過程は、絶妙な色のバランスで、自然の神秘を感じます。木の葉の香りや実の色、落ち葉の中を歩く音など、感じ入るものは様々です。五感と心を使って、秋のガーデンを楽しみます。
写真 文 : 小澤文子、荘司真悠子