冷たい秋雨に当たり、植物の葉や実の色が、赤や黄オレンジ色に変化し始めます。秋の花壇には華やかさはありませんが、植物の色の暖かさを感じることができます。
たわわに実ったヒメリンゴが赤く熟してきます。霜にあたることで甘みも増すのですが、苦味は抜けないので、食べてもおいしくはありません。しかし地元のおじいさん達は「何もなかった子供のころはこれがおやつだった」と言って、おいしそうにバリバリと食べてしまいます。贅沢を言っている私は、頭が下がる思いです。
イギリスでは刈り込みものには一般に常緑のツゲが使われています。しかしここ寒冷地には常緑広葉樹は向きません。その中でドウダンツツジは四季折々変化があって、3倍楽しめる植物と思います。
カラマツの林に生えるキノコ。イグチの仲間ですが地元では「じごぼう」との愛称で親しまれています。痛みが早いので、市場には出回らず、地元で消費されてしまいます。なめこのようにトロリとしたきのこは大根おろしとポン酢がピッタリ。
褐色になった秋のガーデンの中に赤く色づいたバラの実が目に映ると、気持ちまで暖かくなります。バラの実も色や形、大きさなどに違いがあります。ガーデンに来られたら、バラの実にも注目して見てください。
写真 文 : 小澤文子、荘司真悠子