『秘密の花園』再訪
バーネットの『秘密の花園』といえば、同じ作者の『小公女』ほどではないにしても、誰もが名前くらいは聞いたことがあると思います。映画にもなりましたね。私も子どもの頃に読んで、打ち捨てられていた花園が子どもたちの力によってよみがえっていくさまにわくわくし、おいしそうな焼きたてパンやしぼりたてミルクをうらやましく思っていました。-子どもの本に出てくる食べものは本当においしそうで記憶に焼き付きますね。時にはストーリーよりも-。
最近『『秘密の花園』ノート』という本が出版され、私の大好きな作家の梨木香歩さんが書いていることもあり、早速読んでみました。小さなブックレットなのですが、彼女の『秘密の花園』へのあふれる思いがつづられ、それがこちらにも伝わり、1ページ、1ページが本当にいとおしくなる、そんな本でした。それだけでなく、「え、こんな話だったっけ?」というところがたくさんあり、こうなると確かめないわけにはいきません。そんなわけで今、読んでいるところ。
梨木さんの"魔法"もあるのかもしれませんが、物語すべてが新しい姿でよみがえり、まるで初めて読むような気持ちになっています。季節もちょうど今の時期とぴったり。春が荒野(ムーア)や屋敷に訪れる場面の素晴らしさはぜひ読んで味わっていただきたい。私も主人公のメアリのように土や風のにおいをかぎ、草木の芽吹きに目をこらそうと思います。(M)
バックナンバー
- 「人間失格」、あるいは文庫の表紙について(2010年02月25日)
- 『秘密の花園』再訪(2010年02月09日)
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- 読み出したら止まらない(2010年01月08日)
- 携帯電話のこと(2009年12月17日)
- 今年のベスト(2009年12月10日)
- 「富士山は恥ずかしがり屋さん?」(2009年12月02日)
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- 「食育とは?」(2009年11月05日)
- 朝ドラのロケから考えた(2009年10月26日)
- 秋の訪れ(2009年10月16日)
- お引っ越し(2009年10月03日)
- 夏の宿題(2009年08月20日)