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「国語科作品集」

11月2日の創立記念日の講演で講師の水村美苗さんが冒頭に「国語科作品集」を手にして話されているのを見てはっとしました。懐かしいというより「あ、まだ続いている!」と思い、また遠目からみても「国語科作品集」という題字以外一切何も無い超シンプルな表紙は今も変わってないなと確信できました。「国語科作品集」は高校の国語の授業に課題として出された小説の感想文、詩、時には和歌など3年間の間に生徒達が創作した作品の中で優れたものを選んで冊子に編集したものです。私が恵泉の高校に在学していた「うん十年前」からすでにあったのです。そこに収録されていたのは明らかに「優れた」作品であり、もちろんわたしの作品は掲載されてはいませんでした。しかしそこに選ばれた上級生や同級生の作品は本当に素晴らしいものであり、この世には、年月によって培われるものではない、才能というものが本当にあるのだと実感させられるに十分なものでした。そのおかげ(?)で自分の「文才」にすっぱりと見切りをつけられたことに今でも悔いはありません。素晴らしい作品を素直に謙虚に享受できることは、創作する体験の素晴らしさとは比較にならないかも知れませんが、またかけがえのない人生の喜びとして今でも日々実感できるのですから。昔のノートや教科書は殆ど廃棄してしまいましたが、この「国語科作品集」はいまだに手元にあります。捨てようかと開いてみるといまだに「うーんやっぱりすごいな」と感心してしまう自分があります。(A)

 

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