恵泉女学園大学

MENU
人間社会学部 国際社会学科

学科長インタビュー

Q1. まずは学科の特徴を簡単に教えて下さい

貧困、差別、紛争、人権侵害といった、現在、世界各地で起きている諸問題について、現場感覚を持って学ぶ学科です。恵泉は、開学当時からアジアを重視してきた歴史があり、国際社会学科には、中国、韓国、フィリピン、インドネシア、インドなど、アジアを専門とする教員が大勢います。 また、ヨーロッパやアメリカをフィールドとする教員も含めて、全員が、日本から飛び出して現場での実際の経験を積んでいることは、最大の特長といえます。グローバリゼーションという学科全体のテーマについて、理論だけではなく、実感をベースに議論できる教員がそろっています。

国際社会学科
学科長 高橋 清貴

Q2. この学科で学ぶことによって、どんな風に自分を変えることができますか?

現代社会に生きていれば、グローバルな人や物の動きと無関係ではいられません。 例えば、バレンタインデーにプレゼントするチョコレートひとつをとっても、世界の貧困層の児童労働に想像力を働かせることができるような学生を育てることを目指しています。あるいは、今年4月にもバングラディシュの縫製工場での大規模な火災事故によるビル崩壊でおよそ900人もの人びとが犠牲となりました。低価格で気軽に購入できる「ファスト・ファッション」だけれど、それらの商品の生産を支えている、こうした工場で働いている人びとに思いを寄せることができる女性です。途上国について学んで、卒業後は国内で弱い立場に追い込まれ、生きづらい思いをしている人々に寄り添う仕事を選んだ人もいます。皆さんにしっかりと世界の動きを見据え、「これって、おかしいんじゃないの?」と、小さなことでも正当な疑問を持ち、自分なりに考えていくことのできる社会人になってほしいと思っています。

Q3. どんな学生に来てもらいたいですか?またどんな学生を送り出していますか?

いろいろな価値観をもっている世界の人々と壁を作らずに交流して、グローバル社会で自分らしく活躍してみたいと思っている高校生におススメです。また、英語だけでなく韓国語や中国語を上達したいという意欲があれば、その意欲を活かして東アジア地域を基盤にして、さらに飛躍できる女性になっていけますね。国際社会学科では、日本社会と日本に隣接する東アジアに強い関心をもっていることが、これからの若い世代の人たちにとって大切だと考えています。あるいは、アメリカや東南アジア、インドに関心があり、社会のなかで少数派の立場におかれている人びとや、さまざまな課題を抱える現地の人びとの立場から国際協力やボランティア活動に関心をもっている方にもおススメです。
国際社会学科の卒業生の進路は多様で個性的です。金融・保険業界、ホテルなどのサービス業に進む卒業生も多いですが、航空会社の客室乗務員や雑誌編集部で活躍する先輩もいます。もちろん、学科の学びの特徴やこの学科で大事にしているより良い国際社会を作っていくための国際協力の仕事(国際機関やNGO)に就いた卒業生もいます。(このホームページの「卒業生百花」も、ご覧ください。)

Q4. 恵泉の特徴である少人数制教育はどんな風に活かされてますか?

恵泉では、どの学科も1年生から4年生までゼミがありますが、10人ぐらいの少人数で行うゼミは大学での学びの柱になっていると思います。ゼミは、お互いに意見を言いやすい環境です。ここでなら、どんなことでも発言できます。国際社会学科の教員は、ゼミの活動を学外で行うことも多く、被災地ボランティアに行ったり、合宿をしたり、あるいは懇親会をしたりとイベントも多いです。一体感が生まれるので、卒業をしてからもつながりを維持し続けることができます。1年生から4年生まで、大学生活の中で、安心感のある居場所となるのがゼミといえます。
4年生になると、大きな課題は卒論と就職活動ですが、特に就職活動では、孤立しないことが大事なように思います。キャリア・センターのサポートも充実していますが、週に1回は必ずゼミの仲間と直接に会って、ちょっとした悩みでも気軽に話せる環境があるので、自分は一人じゃない、と安心することができるように思います。ゼミでの、人との出会いを大切にする経験は、生涯にわたって貴重な経験となるのではないでしょうか。
また、学科の特徴の一つである「フィールド・スタディ(FS)」では、短期のFSでも実際に現地での学びに先行して「社会調査方法論」で事前学習を深め、FS終了後も報告書の作成等の振り返りを個別指導やグループワークを通して行います。短期FSも5ヶ月間の長期FSも、10人程度の少人数のグループで、自分の興味関心に焦点を当てた「オーダーメイド」な、「わたしにしかできない経験」ができることが魅力です。「オンリーワン」の経験ができるから、就職活動でも、自分のやってきたことに自信をもって、自分の言葉で「わたし」を話せることができるようになります。

Q5. 受験生に一言

「自分の人生の当事者になる!」これは、作家の雨宮処凛さんが「The Big Issue日本版」に連載しているコラムのタイトルをもじったものですが、わたし自身もまだまだ「当事者」になれてないな、と思うこともたくさんあるけど、学生も同僚のみんなも、国際社会学科にいると、「当事者になること」の大切さを痛感させてくれます。「当事者」として向き合っていくこと、本気で生きてみること、恵泉では、いろいろな気付きにあふれていると思います。