少し前になりますが、お茶の入れ方を知らず急須を直に火にかける高校生や、子供時代ペットボトルのお茶しか飲まず、急須を見ても何か分からない若い母親がいる、という記事を新聞で読み、ちょっと驚いた記憶があります。といっても自分の普段の所作を振り返ると、それについて善し悪しを言う資格はないな、というのが正直なところでしたが・・・。その時ふと想起したのが、やはり本の電子化のことなのです。たとえペットボトルばかりだとしても、お茶を飲む事が無くなるよりはましなのでは?ペットのお茶も今や沢山の製品が競合し、入れたてのお茶の旨みに迫ろうという気概の製品も出ているし、ペットのお茶でお茶の旨みを知り、急須でお茶を入れたり、果ては(?)お茶を点てるのに「はまる」子供も出てくるやもしれぬ・・・と同様に、電子ブックで「読むこと」の喜びを知った子供が、ある日、本当にページのめくれる紙の本の存在を「再発見」するかもしれない。肝心なことは、その時ずっしりとした重みの、美しい紙の本が、未だに存在していることなのではないでしょうか?
さて、4月発行予定の図書館報の特集テーマは「本の未来」です。執筆者の皆さんのテーマへの迫り方は、こんな駄文とは似ても似つかぬ、まさに「各人各様」でした。図書館HPに掲載の折にはぜひご覧ください。(A)