恵泉女学園大学

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『永遠の0(ゼロ)』

 太平洋戦争で戦った、ゼロ戦のパイロットをめぐる小説です。
 著者は百田尚樹氏。太田出版から2006年に発行されているので、新刊というわけではありません。発売当時からベストセラーになっていたようですが、その頃は、この本とは縁がなかったのか、手に取ってみることはありませんでした。今年、著者の新作『海賊とよばれた男』(講談社。2012年)が、2013年の本屋大賞に選ばれて注目を浴び、(その関係からではないでしょうが)先の小説が、同じタイトルで映画化されることになりました。それがきっかけで、当館で借りて読み始めたら、これが面白い! いえ、面白い、などというと、ちょっと軽いですね。次の展開が気になって、短期間に読みきってしまいました。

 話は、ネタばれになりますので、細かくは触れませんが、主人公が、戦争中に特攻隊員として戦死した実の祖父のことを調べるうちに、様々なことを知る、というストーリーです。祖父と一緒に戦った人々に会って話を聞くうちに、生前の祖父がどんな人物であったのか、少しづつ明らかになっていきます。素晴らしく腕の立つ戦闘機乗りだったにも拘わらず、臆病者とののしられた祖父。最後に特攻に志願し、帰らぬ人となった、その訳は? 
 主人公が行く先々で出会う老人たちも、皆個性的で味のある、それぞれが主人公になってもおかしくないような人たちばかりでした。
 お勧めの一冊です。恵泉の図書館に入っておりますので、是非どうぞ。(Y)