ついこの間まで暑い、暑いと言っていたのに早くも多摩センターではクリスマスイルミネーションが始まりました。私は恵泉のクリスマス礼拝でおなじみの「天使隊」に今年初めて「入隊」しました。クリスマスをお祝いする礼拝に学生と一緒に関われたらという思いのほかに、「声を合わせたい」という理由もあります。
私は音楽ものの小説が好きで、特に学園ものという要素が加わると、すぐに手にとってしまいます。たぶん、学校時代に音楽系クラブにはいっていればよかったと悔やむ気持ちを未だにひきずっているためだと思います。音楽をみんなで奏でるために乗り越えなければならない苦しみ、辛さ、そのあとの喜びに惹かれます。吹奏楽やオーケストラ(小説ではありませんが、『のだめカンタービレ』は素晴らしい!)などを扱ったものになるわけですが、今、とても興味があるのは合唱です。『くちびるに歌を』(中田永一著)や『よろこびの歌』(宮下奈都著)を読むと、合唱というのは誰かがぬきんでているのではなく、みんなのいろいろな声がひとつに溶け合ってハーモニーを奏でるのだということがよくわかります。声が溶け合った瞬間の感動をこれらの小説は見事に語っています。私もこの瞬間を感じたい、と思うのですが、それは時には単調でつまらなくなるような練習を積み重ねた上で手に入れることができるものでしょう。それはわかっているけれど、少しでも「声を合わせる」体験ができたらという思いもあって「入隊」したわけなのです。
今、クリスマスを待ち望む気持ちを整えながら「よろこびの歌」の練習をしています。
残念ながら『くちびるに歌を』も『よろこびの歌』も図書館にはないのですが、素晴らしい本なのでぜひ近所の図書館で探してみてください。ちなみに『よろこびの歌』は続編がもうすぐ出版されます。(M)