今年の夏は近年にないほどの猛暑でした。秋になったら少しは過ごしやすくなるかと思っていたら、10月になってもまだ気温が下がらず、「地球はどうしちゃったの」と、いささか心配ではあります。
この異常気象のせいで野生動物の世界にも異変が起きているようで、山から降りてきた彼らと人間との間でトラブルが発生するケースが相次いでいます。ニュースとして取り上げられたもので記憶に新しいのは、先週三島市で捕獲された「噛み付きザル」。静岡県東部を暴れまわり、100人以上の住民に噛み付いて怪我をさせたという猛者で、お縄頂戴となったあと、市内の公園に引き取られたそうです。一方、福井県勝山市のデイケア施設で女性看護師を襲ったツキノワグマは、建物内部に立てこもったあと、あえなく射殺されてしまいました。猟友会の方々は、最初から殺すつもりではなく、大好物の蜂蜜などを仕掛けて捕獲しようとしたものの、クマはその手に乗らなかったようです。
人間からみれば、里に出没して農作物を食い荒らし、人を襲う野生動物は、全くもって困った存在ではあります。しかし、彼らにしてみれば、山に食べ物が少なくなったことは死活問題であり、里に降りてこざるをえないのでしょう。
射殺されたクマ、御用となったサルを可哀想と思うのは、実際に被害にあったことのない身だから言えるのですが、それにしても彼らと人間との上手い共存方法はないものでしょうか。逃走に疲れたらしい?ふてくされたような顔をした噛み付きザルの映像をテレビで見ながら、そんなことを思いました。(Y)