恵泉女学園大学

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人文学部 日本語日本文化学科

学科長インタビュー

Q1. まずは学科の特徴を簡単に教えて下さい

日本語日本文化学科
学科長 佐谷 眞木人

日本語や日本文学だけでなく、日本の美術史や歴史、日本の宗教や芸能など、日本について幅広い分野を学べることが特色です。本学科は、今から25年前に女子大で初の「日本文化学科」としてスタートし、その後、日本語に関する分野を強化して「日本語日本文化学科」となりました。「日本語」「日本文学・文芸創作」「日本文化史」が、学びの3つの柱です。また、日本語と日本文学、日本文化についての学びだけでなく、文芸創作にも力を入れていて、卒業論文の代わりに「卒業制作」として小説を書くこともできます。
学科の特色として、さまざまな分野の学びを組み合わせることによって、より深く日本文化を理解することができるという点があります。たとえば、『源氏物語』の内容について学ぶだけでなく、平安時代の女性はどのように生きたかという歴史や、平安時代の日本語についても学ぶことができますし、『源氏物語』が絵巻物ではどのように表現されているか、あるいは、演劇や映画などの加工作品にはどのように作り変えられているか、といった物語とは質の異なる表現への展開についても学べます。あるいは、現代の日本語に関する知識や近代史の理解は、近代文学作品の読解や文芸創作にも役立ちます。そのような広がりを持った学びを通して、文化を一つの面からだけでなく、さまざまな面から総合的に見る目を養い、幅広い教養を身につけることができます。
様々な分野で国際化が急速に進展する現代社会において、「日本文化とは何か」を正確に、かつ、深く学び、発信できる人材こそが真の国際的な教養をもつ人と言えるのではないでしょうか。自国の文化を正しく認識することによってはじめて、他の国や地域の人々に対するより深い認識が開かれていくのです。日本語日本文化学科は、そのような現代社会にふさわしい、真の国際人としての「日本文化のスペシャリスト」の養成を目指す学科です。

Q2. この学科で学ぶことによって、どんな風に自分を変えることができますか?

日本について豊かな教養と深い専門性を同時に身につけるのがこの学科のカリキュラムです。そのために、1・2年生においては、幅広い分野にわたる科目を学び、3・4年生において専門的な学習を深めていきます。たんに知識を学ぶだけでなく、実践的な学びを通して、現代社会に生きる教養の習得を目指します。たとえば、3年次においてはいくつものゼミで、京都や奈良、金沢などへの研修旅行を行うことで、事前事後の学習を通して知識を深めます。また、中学校・高等学校の国語科教職課程や、外国人に日本語を教える日本語教員養成課程に力を入れているのもこの学科の特色です。いずれの課程においても、少人数のクラスで何度も模擬授業を繰り返すことによって、実践的な授業力を身につけていきます。実際に卒業後に教職に就いたり、日本語教員になったりする卒業生が、履修者数に対する比率としては際立って多いのが、本学の特色です。教職課程と日本語教員養成課程のダブル受講も積極的に支援しています。また、このほかにも、文芸創作の授業では小説や児童文学の実作を指導し、本にするまでを学びます。意欲のある学生には文学賞への応募の指導も行っています。図書館司書や博物館学芸員の資格取得についても、サポートしています。このように、学生それぞれの夢の実現に向けた、的確なアドヴァイスと実際的なサポート体制がこの学科の特色です。

Q3. どんな学生に来てもらいたいですか?またどんな学生を送り出していますか?

日本語や日本文化について、幅広い興味を持っている人。具体的には、日本語について興味があり、外国人に日本語を教える仕事に就きたい。本が好きで文学作品について深く学び、将来は図書館司書や編集者など、本にかかわる仕事に就きたい。自分で詩や小説を書いていて、大学でより深く学びたい。中学校や高校の国語の先生になりたい。戦国武将や幕末の勤王の志士など日本の歴史に興味がある。マンガやアニメなどビジュアルアートに興味があり、深く学びたい。などなど、いろんなきっかけで日本語日本文化学科に入学してくる学生がいます。
卒業生の進路もさまざまです。これまでの卒業生には、国語の教員や、日本語教員はもちろんのこと、銀行や証券会社、メーカーなどの一般企業や、公務員に就職する人。より深い学びを求めて、恵泉や他大学の大学院に進学する人。図書館司書や博物館学芸員になる人。出版社に勤めて編集の仕事をする人。演劇や芸能関係の道に進む人。ブライダルやホテルの仕事に就く人。百貨店や専門店で仕事をする人。介護の仕事に就く人。などなど、本当にいろんな場所で卒業生たちは活躍しています。
もし、入学前に明確な卒業後の進路が思い描けていなかったとしても、心配することはありません。4年間の学びを通して、それぞれが生き生きと働くことのできる場所を見つけていくのが、この学科の卒業生の特色です。

Q4. 恵泉の特徴である少人数制教育はどんな風に活かされていますか?

日本語日本文化学科の学びは「少人数制だからできること」であふれています。たとえば、1年生では他学科にはない「日本語能力 II 」の授業があり、さまざまな文章の書き方について、個別の添削指導を受けることができます。これに対して3年生以降では、「実践日本語 I ~ IV 」の授業があり、社会に出ることを見据えた、より実践的な日本語能力を身につけます。また、先にも触れた、国語科教職課程や、日本語教員養成課程、文芸創作の授業などでは、少人数のクラスできめ細やかな指導をしています。このほかにも、1年生から4年生まであるゼミの授業では、ゼミ研修旅行や学外授業などが行われていますし、その他の授業でも学外実習や美術館・博物館などの見学会を行っています。また、授業に学外講師を招いて貴重なお話を伺ったりすることも。少人数ならではのアットホームな環境の中で、学生のニーズに答えた授業展開が可能です。

受験生に一言

いまの若い人には、「自分に自信が持てない」人が多いですね。私も以前はそうでしたが、自信のない人に「自信を持ちなさい」と言っても、持てるようには簡単にはなれません。少しずつ、小さなことでも、ハードルを乗り越えていくことが大切です。そのような積み重ねがいつか、自信につながっていきます。みんなが少しでも生きやすく、自分の思い描いた場所にたどり着けるよう、最大限のサポートをしていきたいと思っています。