恵泉女学園大学

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人文学部 歴史文化学科

音楽

言葉ですべてのコミュニケーションができるなら音楽は生まれなかったであろう、という有名な言い伝えがあります。確かにどこの世界にも音楽はありますし、どんな少数民族も固有の伝統音楽をもっています。面白いことに古代のゲルマン語ムジツィーレンとは、もちろん英語のミュージックと同じですが、元々は合奏するあるいは一緒に歌うという意味でした。つまり一人で演奏したり一人で歌うことではなかったのです。またドレミファソラシドだけが音階だと思っている人が大いでしょうが、世界中どこを調べても音階は違っています。つまり音階も音程もリズムも、「これが正しい」というものはないのです。ただドレミファソラシドを基調とした音階がヨーロッパ中世においてキリスト教会で有力となり多数派、長調(メジャー)、ラシドレミファソラが少数派、短調(マイナー)として残っているのです。ヨーロッパの王侯貴族は今挙げた音階のみを好みました、しかし同時にこの事実は、例えばフラメンコとかブルースとか演歌のような土着的に発生した音楽を軽蔑する結果を伴ってしまいました。でも今クラシック音楽だけが正しいなんていう人はいません、その人の好みの問題です。