恵泉女学園大学

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人文学部 歴史文化学科

迷路

皆さんは迷路に入ったことはありますか。10 年ほど前に日本で迷路が大流行したことがあります。ヒマワリの迷路、板塀の迷路、生垣の迷路など、様々な迷路が登場しました。日本一とか、世界一とか、競って大規模な迷路が作られました。今でもヒマワリの迷路は健在で、毎年夏になると子供たちが黄色い花の中を走り回る様子がテレビのニュースで流れます。歴史を辿っていくと迷路は2 つのタイプに分かれます。ひとつは幾重にも折れ曲がった一本道です。中世のヨーロッパの教会では床に一本道を描き、その道を辿りながら人々は祈りと瞑想の時を持ちました。もうひとつは、複雑に分かれた迷路で、迷宮とも呼ばれます。ギリシャ神話には若者テセウスが迷宮に入り、そこに住む半獣半人の怪物ミノタウルスを倒す「アドリアネの糸」という物語があります。乙女アドリアネが託した赤い糸を辿ってテセウスは迷宮から抜け出すのです。今でもイギリスの庭園では生垣で作られた迷路を見ることができます。迷路に近づくと、中からは道に迷った人たちの声が聞こえてきます。そこは人々が遊んだり、恋を語ったり人生を楽しむ場となっています。