恵泉女学園大学

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フィールドスタディ

アメリカ

ニューヨークに見るアメリカの多様性とその諸問題

担当者:漆畑 智靖

目的

はじめての黒人大統領であるオバマの大統領就任は、ますます多様化するアメリカを象徴する出来事といえます。メキシコ人を中心とした移民の急増、公民権運動以後の黒人エリートの出現、あるいは同性愛者間の結婚を認める州法の成立など、アメリカの多様化やマイノリティの存在感はますます顕著になってきています。しかし同時に、急増する移民への反感、9.11同時多発テロ事件以後の反イスラム感情の増大、エスニシティ間や人種間の不平等の存在、同性愛間の結婚への反発など、そこには深刻な対立、権力関係が存在することも事実です。
このプログラムでは、アメリカでもきわめて多様性が高く、その意味でますます多様化する未来のアメリカを象徴する場所とも言えるニューヨーク市を訪れることによって、その多様性の歴史と現状の実態を確認するとともに、これに伴う軋轢や困難、そしてそうした問題を解決するための努力を体験的に学んでもらいます。
ニューヨーク市の中でも、特にマンハッタン、およびクイーンズ、ブルックリンを訪れます。ニューヨークはグローバル化する金融の中心で多国籍のビジネスマンが働く場所です。世界中から多様な移民が集まってくる場所でもあります。ハーレムのような代表的な黒人居住区も存在し、同性愛者の人口も多いことでも知られています。多様性はエキサイティングで魅力的な文化を生み出してきましたが、同時に階級や人種・エスニシティによって住む場所が異なるという隔離や格差をも意味しています。ニューヨークには、移民博物館などその歴史的な背景を知るための施設も整っています。このような体験学習にとって最適の地、ニューヨークを通して、アメリカの現在を学んでほしいと思います。

計画

実施時期と期間

2010年8月末~9月初め頃 1週間程度

参加人数

12人程度

参加費用

26万程度

スケジュール案

(1)1世紀前頃に到来した欧州系の新移民の歴史(自由の女神、エリス島移民博物館、テネメント・ミュージアムなど) (2)急増するヒスパニック系・アジア系移民の現在(ロウアー・イーストサイド、クイーンズなどのエスニック・コミュニティなど) (3)9.11以後の軋轢(グランド・ゼロ、アラブ系ムスリムのモスク訪問。外交の主要な舞台・国連本部訪問など) (4)同性愛者などの性的マイノリティをめぐる争点(活動家の方々を訪問など) (5)インナーシティ問題と都市再開発問題(コミュニティ・ガーデン訪問など) ※オバマ政権が成立したことに鑑み、日程上、可能なら、日帰りでワシントンを訪れ、ホワイトハウス、リンカン記念堂など、アメリカの多様性を考える上で意義ある場所を訪問し、その歴史や象徴的な意味などを解説したいと思っています。

参加資格

学ぶ意欲と集団行動ができること。かなり歩くので、それに耐えられること。帰国後も、報告書作りや発表でチームワークを発揮できること。観光気分で来るのは絶対にやめてください。プログラムに疑問がある場合、事前にかならず確かめてください。