カンボジアは昨年10月、20年以上におよぶ内戦と虐殺、混乱の時代に終止符を打ち、平和と復興・開発の時代の端緒を開いた「パリ和平協定」の締結から15周年を迎えました。政治情勢は徐々に安定し、アンコールワットなどへの観光客も増え、カンボジアは私たち日本人にとって身近な国になってきました。一方、カンボジアは地雷の撤去や虐殺の時代の真実の究明など、紛争を今日的課題として取り組んでいる国でもあります。また、「開発」にともなう貧富の格差の拡大や民主化の後退といった負の側面が見られるのも現実です。カンボジアは、まだ『壊れた籠』を編み直している途上であり、その中で大事な役割を担っているのがカンボジア人によるNGO・NPOなのです。
カンボジアにはアンコールワットを始め、勇壮なクメール文明に触れることが出来る場所もたくさん残っています。このフィールド・スタディでは、そうしたカンボジアの文化と紛争の歴史を背景に、深い悲しみと憎しみ、疑心を乗り越え、自らの手で社会をつくり直すために日々奔走している人々と触れ合う機会を提供します。草の根の視点から、紛争とは何か、復興とは何か、援助とは何か、人権とは何か、民主化とは何か、そして平和構築とは何かを考えてみたいと思います。
カンボジアは「微笑みの国」とも言われます。メコン川の流れのようにたおやかに、過去と向き合いながら、ゆっくりとしかし確実に未来をつくっていこうとする人々の姿に触れるとき、きっと貴方の中で何かが変わるはずです。
2009年度9月を予定 10日間程度
10名程度
19万円程度
成田発、プノンペン着
平和関連NGO訪問、トゥールスレーン/キリングフィールド訪問
ゴミ山訪問、NGO訪問(人身売買・人権関係)
CMAC不発弾処理作業見学
JVC技術学校訪問(学生と交流)、市内見学(セントラル・マーケット他)
シェムリアップへ移動
世界遺産(アンコールワット)見学、農村のゲストハウスで宿泊
JVCの活動農村で農作業の手伝い、午後自由
トンレサップ湖の水上生活者訪問、シェムリアップ発
成田着
熊岡路矢『カンボジア最前線』(岩波新書)
メアス・ニー『壊れた籠』
上田広美、他『カンボジアを知るための60章』(明石書店)