恵泉女学園大学

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フィールドスタディ

フィリピン

砂糖とバナナのフェア・トレード -女性が出稼ぎに行かなくても良い村づくりは可能か?

担当者:堀 芳枝(人間社会学部国際社会学科)

目的

みなさんは、フィリピンというと何を思い浮かべるでしょうか?フィリピンの人口は現在8,700万人ですが、東南アジアの中でも経済格差が大きく、失業率も高く、約800万人(約10人に1人)もが世界中に出稼ぎにでなければ家族を養っていけません。その原因の根底にあるのが、大土地所有制度です。これは16世紀スペインによってもたらされた土地制度で、農村では依然として地主-小作農、農業労働者という生産関係の中で、農民たちが「食えない」状況にあります。フィリピンの貧困を改善するには、農民たちが自分たちの農地を取得し、きちんとした価格で農産物を売って収入を得ることが重要です。フィリピンのネグロス島では、農民たちが地主に対して土地の権利を主張し、自分たちの農地を獲得して自立を目指している村や、NGOを協力しながらバナナや砂糖をフェア・トレード商品として日本の生協などに出荷している村があります。
このFSではフェア・トレードのバナナや砂糖の生産・加工の現場を訪問し、生産者にとってのフェア・トレードとは何かなどを考えます。また、フィリピンの格差や不平等の根底にある、大土地所有制度の実態や、その中でもNGOの協力をえながら大地主から農地を取って自立の道を歩んでいる村も訪問します。また、農村の女性や子どもの問題についても考えます。私はみなさんとこうした元気な村を訪れて、特に明るい女性や子どもたちから元気をもらって、フィリピンの問題を肌で感じ、私たちのこと、これからのこともみんなで考えたいと思います。

計画

実施時期と期間

2010年2月 8日程度

参加人数

最大12名くらい

参加費用

15万円以内

スケジュール案

2009年2月に下見に行って決めます

参加資格
  • 健康で、野菜、鶏肉、魚、を食べることができる人
  • どこでも眠れる人(農村に1泊くらい滞在します)

テキスト

大橋成子『ネグロス・マイ・ラブ』めこん、2005年。
堀芳枝『内発的民主主義への一考察 -フィリピンの農地改革における政府、NGO、住民組織』国際書院、2005年。