恵泉女学園大学

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フィールドスタディ

タイ

移動と定住―オルタナティブで持続発展可能な生活を考える

担当者:斉藤 百合子(人間社会学部)
科目名:社会調査方法論 I (タイ)
フィールドスタディ I (タイ)
フィールドスタディ VI

目的

東南アジア諸国の一国であるタイでは、これまで(現在も)経済格差のより高い国や地域での就労機会を求めて移動する人々が多く、国外・国内の移住労働者の送り出し国でした。しかし、同時にその一方で、メコン川流域諸国(中国、ラオス、ミャンマー、カンボジア、ベトナム)との比較では、格差のより上位国であるタイに、就労機会を求め、また戦禍を逃れるために移動する人々は年々増えており、受け入れ国でもあります。

今回のタイ短期フィールドスタディプログラムは、首都バンコクとタイの東北地方の農村を訪れて、移住(労働)の背景や現実を、NGOを訪れたり、さまざまな経験をもつ人々からの聞き取り等を通して学びます。そして、移住労働とは対照的に、疲弊した農村を再生し活性化させ、人間と自然との関係の価値を再確認していくオルタナティブな農村での取り組み(地産地消、地域循環型事業など)を通して、持続発展可能な生活を(オルタナティブな)ひとつの可能性として、ともに考えます。
フィールドスタディの事前講義である「社会調査方法論1」での目的は、上記のフィールドスタディの意図の理解を深めることと、そのうえで自分が探求したい課題を見つけて掘り下げることです。さらに、異なる文化や習俗をもつ人々の社会(フィールド)に入ってフィールドスタディを行いますので、コミュニケーションのツールとしてのタイ語や礼儀・マナーも学びます。

計画(より具体的な計画は、2008年6月頃に実施される2008年短期FS説明会で説明予定)

実施時期と期間

2009年2月上旬(予定)。9日間程度

参加人数

約15名

参加費用

16万円(国内フィールドトリップ費用の一部含む。任意の保険や個人的費用は除く)

スケジュールと内容(予定)

バンコク
  • 移住労働の現実(1)(タイにおける外国籍の児童労働や人身売買について学ぶ)
  • 移住労働の背景(2)(東北地方出身のバンコク近郊で働く女性労働者の話を聞く)
タイ東北地方の村(コンケン県、ムクダハーン県を予定)
  • 地産地消、地域循環型事業などを実践する村の活動を見学する。
  • オルタナティブな地域社会づくりを目指すNGOを訪ねる。
  • 農村ホームステイを通して農村の暮らしを実践的に考察するほか、文化交流行う。
  • 可能であれば、FS参加者と同年代の20代前半の若者と意見交換を行う。

参加資格

「タイ語 I 」以上を履修していることが望ましい。

テキスト

適宜指示。

参考文献

  • 『タイを知るための60章』(明石書店) 綾部恒雄・林行夫【編著】
  • 『タイの田舎から日本が見える』山下惣一著 農文協