恵泉女学園大学

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フィールドスタディ

短期FS参加学生コメント

2007年度バングラデシュ短期FS学生感想

実際にバングラデシュへ行き、人々の暮らしぶりを見ることのできた約一週間、一度も「自分たちがこの人たちよりも優れている」などとは思わなかった。確かに日本をはじめとする先進国と比べれば、経済的に遅れていると言えるかもしれない。それでも彼らはその環境で生活を営み生きている。当たり前だが彼らだって私たちと同じ人間だ。そして、むしろ私にはバングラデシュの自然の豊かさや人々の温かさがとてもうらやましく思えた。

バングラデシュのFSプログラムに参加したことにより、いつでも自分の考えを疑う癖がつき、世の中には綺麗事では片付けられないことが多いと身をもって体験した。正解がない問題があることにも気づくことができた。もっと知りたいこと、体験したいことが増えた。バングラデシュで疑問に思ったこと、わからなかったことを調べようとすると、今まで興味がなかったことに興味を抱くようになったきっかけとなった。バングラデシュでの体験は、日本でバングラデシュの本を読んでも、映像を見ても、話を聞いてもわからなかったことを自分の身体を通して知ることができた。そして、何よりもバングラデシュの雄大さや温かさを感じることができた。

このFSに参加して「百聞くからこそ、一見に意味がある」のだと感じた。

日本での価値観が覆され、初めて遭遇する出来事に驚くとともに、非常に考えさせられた。答えがでない問題があることを知り、それでも考え続けた日々であった。(中略)社会構造を変えることが大切だということを学んだ。かわいそうで終わるなよと大橋先生が言っていた。

バスで移動中に信号で停車している際に物乞いをしている少女から自分のすぐ近くの窓を外から叩かれた時、これまでに無いほど居心地の悪さを感じた。どうしたらよいのか分からず、困惑しているだけの自分を認められなかった。自分は一体なにをしているのだろう。「結局、貧しさを見たかっただけ」なのか。目の前で行われていることと自分の感情を頭で整理することが出来なかった。揺さぶられた日々であった。

どの体験も非常に印象的であったのだが、ついさっきまで元気に動いていた山羊が目の前でどんどん肉の塊に姿を変えていく一部始終を観察したことは特に衝撃をうけた。私たちが普段何気なく口に運んでいるお肉。それを食べるということは、動物の"生"を頂くことであるのと同時に、その背景には、家畜を殺して肉を提供してくれる人々が必ず存在するのだということを再認識させられた。