恵泉女学園大学

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フィールドスタディ

山地に住む人々(カレン民族)

子どもの生活環境

「約2ヶ月間トゥンルアン村の子ども達と共に過ごしてきた中で、年上である私のほうが教えられることは多かった。それは、便利なものがなくても生きていける知恵だった。日本では、ガスがなければ料理をすることができないし、スーパーマーケットがなければ料理の材料を手にすることさえできない。しかし村の子ども達は、それらがなくても薪で火を焚き、村の中にあるものを見分けて、食べることのできる材料を得ることができる。村の子どもは、人間が生きていくために必要な基本的スキルを持っている。

(中略)

経済先進国といわれる日本の都会の生活の中では、このようなスキルを学べる機会はほとんどないように思う。日本の子どもは欲しいモノが全て手に入る環境にある。しかし、本当の豊かさとは何かを考えたとき、子どもの成長に必要なものは物質的なモノではなく、身体を通して学ぶことのできる環境なのではないか。家族や親戚、友達などさまざまな関係性の人と触れ合うことのできる環境、そして決して自分の思い通りにはならない自然の中で生活することは子どもの成長に重要な役割を与えているとかンが得る。私はこれらのことを体験学習から身をもって感じた。」
(P127、加藤友梨「生活環境からの子どもの学び~トゥンルアン村から見えたもの」『2007年度第8回長期フィールドスタディレポート集』、恵泉女学園大学 2008年11月より)

  • 子どもたちと川に魚つり
  • トゥンルアン村の小学校
    (カレンの子どもたち)
  • 藁を蓄える