恵泉女学園大学

MENU
本学について

2011年9月

わたしにつながっていなさい(2011年秋・卒業式)

学長 木村利人

皆さん、ご卒業おめでとう。

私たち、教職員一同、皆さんの新しい門出を心から喜び、お祝いします。皆さん方を、愛と祈りをもって今まで支えてくださった保証人の皆様、ご家族の方々ともその大きな喜びを共有したいと思います。

昨年度末の東日本大震災で3月の卒業式はできませんでした

しかし、卒業する学生たちのイニシアティブで被災地出身の学生の皆さん方や被災者の方々とも祈りにおいてつながった、世界で最初のツイッターによる卒業式が開催され、恵泉の学生たちのユニークなクリエイテビィテイがマスメディアでも注目されました。その後スプリングフェステイバルの時には、卒業の会が開催できました。 実は、昨日の台風で、今日の卒業式もまたできなくなるかと心配しましたが、素晴らしい秋晴れとなり皆さんの新しい門出に相応しい天気に恵まれましたのは本当に嬉しいことです。

皆さん方が2年生の時に、恵泉女学園大学は創立20周年の記念すべき年を迎えました。その母体である恵泉女学園は、創立者河井先道先生のキリストにつながった信仰によってたてられ、聖書、国際、園芸を統合したいのちを尊ぶ人間教育を実践する学園として成長してきました。

皆さん方がこの恵泉で学んだいのちのルーツとしての聖書の教え、いのちを支え合う国際平和と人権・多文化共生、そしていのちを慈しみ育てる園芸・食農教育の体験などを、社会にでてからもこれからの一生の生活の中に取り入れ、いのちを光り輝かす個性を持って、神につながった人間として、その愛のうちにあって未来に向けて大きく成長していってください。

恵泉女学園が創立されてから今年で82年になりますが、実はその背景には2000年のキリスト教の歴史があります。ボストン大学のロバート教授の著作で2009年に刊行された「キリスト教の宣教」(Christian Mission)というタイトルの本の中には、河井先生が登場します。1930年代に国際的に活躍し、世界教会運動(エキュメニカル運動)やYWCAの指導者であり日本で大変に重要な女子校を創立したと書かれてあります。

河井先生と恵泉女学園は2000年のキリスト教の歴史を背景にこれからも益々大きく注目されて行くことになることが期待されます。
そして、その責任は河井先生がしばしば語っておられたように、皆さん方卒業生が「恵泉からの社会への手紙である」ということを実践していかれるかどうかにもかかっているのです。

卒業式式次第に書かれてあるこの主イエスキリストのみ言葉にありますように「わたくしにつながっていなさい」という教えをまもることが全てのいのちの「つながり」の出発点です。河井先生がそうであったように、キリストにつながって生きていきましよう。この世的な価値判断に迷わされることなく、恵泉で学んだいのちの尊さの根源を知ったものとして生きていってください。皆さん方のひとりひとりがいのちの恵みの泉として、まわりを潤し、癒やし、豊かにし、いのちのルーツにつながったものとして、日本、アジア、世界の中でキリストにあって、勇気を持って生きていいてくださいますよう心からお祈りします。

卒業証書授与式

卒業感謝会