恵泉女学園大学

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本学について

2009年9月

喜びと祈りと感謝

皆さん、今日の卒業の「喜び」の日を心からお祝い申し上げます。
卒業される皆さんのために、ご家族の皆さん方をはじめ、友人、教職員など多くの方々が、「祈」ってこられました。そのことを神様に「感謝」しましょう。
そして、今日の卒業の喜びの日に、ただ今お読みいただいた聖書にあるように、「いつも喜んでいなさい。たえず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」(テサロニケの信徒への手紙1:5章16~18)というこの聖句を皆さんにお贈りしたいと思います。
皆さん方は、この4年間、国際的な経験が豊かで、様々な専門的学問分野の第一線にある本学の優れた教員や職員に学びました。また日本のみならず中国、韓国など諸国からの留学生も含め、素晴らしい友人達との友情に恵まれました。その学びや相互の語り合いに励まされつつ、自分で考え、自分で判断し、自分で行動するスピリットを、恵泉女学園大学で獲得したことと思います。
恵泉女学園大学は開学以来21年を経ましたが、一人ひとりの人格を尊重し、個性を豊かに伸ばし、その才能を十分に発揮する教育を行う質の高い少人数の女子大学としての教育内容の評価が確立しつつあります。皆さん方は、その恵泉女学園大学の教育の成果です。これからの一生を通して恵泉で学んだことの喜びと意義を社会に示す素晴らしい同窓生であることに、わたくしたち教職員は大きな期待と誇りを抱いております。
さて、今日は、皆さんが社会に出てから更に大きく活躍するために、「学び続けること」「奉仕し続けること」そして「感性を養い続けること」の三つのことをお勧めしたいと思います。
その第一に、留学生の皆さんを含め、自分の国の歴史や文化を学び続けるということです。恵泉で学んだ皆さんは、歴史を総合的、国際的視野にたって学び、正しく理解する訓練を受けました。この考え方は、卒業し、社会に出てからもますます大事になります。
それから、語学を学び続けてください。恵泉で世界諸国の様々な語学の基礎を学び、FSなどで大いに使って上手に話したり読んだり、書いたり出来るようになった皆さんもおられるでしょう。語学の継続的な勉強はこれからはじまる皆さん方の人生で必ず新しい道を豊かに切り開いてくれると思います。もちろん、語学の背景にある、日本を含む世界諸国の文化、宗教、歴史、哲学など人文科学、社会科学、自然科学など幅広い一般的な教養教育も、社会に出てから益々学び続けてください。
第二に、既に、この恵泉で体験した皆さんも多いかと思いますが、自国または外国での教育、福祉、保健衛生、園芸、食育などに関連するいのちの「ボランティア活動」を、社会人になってからも、ぜひ続けて下さい。ボランティアをすることは学生時代で終わってしまうのではなくて、一生何らかの形で続けてください。
第三に、どうぞ、聖書の教えにあるように「弱いもの、苦しんでいるもの、悩んでいるもの」とともにある心を養い育ててください。国際的な幅広い視野での「人権尊重の心」をこれから始まる仕事の現場で生かしましょう。
これは、何かが間違っている、自分や他人の人間としての尊厳がおかされていると思った時には黙っていないと言うことです。黙っていると、間違ったこと、正しくないことを認めてしまうことになります。「はいは、はい、いいえは、いいえとハッキリ言いましょう」と本学園の創設者河井道先生はしばしば、恵泉の学生達に語られました。
「キリスト教」「国際」「園芸」の教科を統合した人間形成教育を基盤とする世界でも極めてユニークな大学に学んだ皆さんは、まさに21世紀を生きるのに相応しい国際的な人材として広く世界に貢献することを確信しています。
今日、はじめにお話しましたように、皆さん方は、社会に出られた後も、恵泉女学園大学で学んだことを誇りに思い「いつも喜び、絶えず祈り、どんなことにも感謝」を持って新しい人生の冒険に挑戦してください。
「これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです」(テサロニケの信徒への手紙1:5章18)と聖書は私たちに力強く語っているのですから。