恵泉女学園大学

MENU
本学について

2006年6月

恵泉女学園大学には、海外や国内の各地での様々な学習の機会があります。
地域でのコミュニテイ・サービス・ラーニング(CSL)、海外での語学研修、アジア・アメリカ・ヨーロッパなどの諸国での長期・短期フィールドスタデイ、ワークキャンプなど、本当に勉強したい人、新しい学びにチャレンジしたい人にとって多くのチャンスがあります。
今年度に入ってからも、チャペルアワーやスプリングフェスタなどで、素晴らしい収穫を得て帰国された参加者の皆さんの報告や展示による紹介などがありました。
先日のチャペルアワーの時間には、3人の「タイ国際ワークキャンプ」の参加者による報告があり、それぞれのお話はとてもユニークで大変に印象に残りました。
自然環境や生活環境の日本とのあまりのギャップにショックをおぼえながら、タイの地元の参加者の皆さんの友情や本当に親切な表情に触れて、言語を超えたコミュニケーションに感激したありさまが良く伝わってきました。人々や自然との新しい出会いの中で、考え、働き、祈り、サービス(礼拝・奉仕)し合った皆さんの報告を聞いていて、「ワークキャンプは人生を変える」のだと思わされました。
実は、私自身の人生もワークキャンプによって変えられたからなのです。そこで、出会った人々の何人かとは、今も連絡がありますし、日本国内や海外での異なった文化・歴史との出会いと学習の体験が今までの人生を本当に豊かにしてくれました。
私は、早稲田大学の学生時代に、毎夏ほぼ2~3週間、東北地方の農場での作業、仙台YMCAキャンプ場での整地作業、群馬の福祉施設でのブロック建設作業に従事しました。大学院時代には、沖縄の小学校の校庭建設、フィリピンの農村の公衆衛生活動(トイレットの穴堀作業)などにそれぞれ約1ヶ月間参加しました。
このような、ワークキャンプでの経験が今の私の生き方をつくる契機となりました。私は、都会で生まれ育ったのですが、第2次大戦中の小学校時代には山梨県のお寺に集団疎開して、勉強の時以外は農作業に従事していましたので、体を動かして働くということにはなれていたのです。
その後大学院を終えてから、タイのチュラロンコン大学で教えていた1960年代の中頃に、タイSCM(キリスト教学生運動)総主事をしていた私と当時カセットサート大学学生だったブントーンさん(前・パヤップ大学学長)とが一緒に企画を練って、タイの南部にあるイスラム部落での学生ワークキャンプを組織して地元の方々と小さなダムを建設したのは忘れられない思い出です。クリスチャン学生とイスラム教の青年たちの、タイで最初の「協働」作業として地元の村民の方々から大変に感謝されました。
その時に読んだ聖書の御言葉は、ヨハネによる福音書の5章17節でした。
『イエスはお答えになった。<わたしの父は今もなお働いておられる。だからわたしも働くのだ。>』
私たちの小さな働きの背景には、いつも神様がおられ、神様が働いておられるからこそ、私たちの働きにも大きな意味があるのだと思います。

恵泉女学園大学で学ぶ皆さん方の人生において、このような海外や国内での研修プログラム等の貴重な体験が、将来大きな実を結ぶようになることを確信しています。

学長からのメッセージ (2006年6月) 木村利人