「現代カンボジアに触れる」タイ・カンボジア短期フィールドスタディ参加学生から報告が届きました④

2018年02月17日

フィールドスタディ、略してFS。ひと言でいえば、「現場を訪れて自分の足と目、心を使って実際に体験することで、机上の知識だけでは学び取ることのできない人間的理解を得る」体験学習のことです。どの学科の学生でも2年から参加できます。

FSには2種類あります。約5ヶ月にわたってタイに滞在し、タイ国立チェンマイ大学で学んだのち現地のNGOや農山村などで体験学習をする長期フィールドスタディと、アメリカ、オーストラリア、アジア各地域(国)へ1~2週間程度行く短期フィールドスタディです。

FS参加学生の報告書がこれまで3冊の本となって出版されています。FSは「事前学習⇒現地体験学習⇒事後学習」という段階を踏んだ学びを通じて、学生が知的にまた人間的に成長できるプログラムなのです。

では、タイ・カンボジア短期フィールドスタディ(2月10日~20日)の学生報告・第4 弾です。ご一読ください。

午前は、ゴミ山でリサイクルごみを拾って生計を立てている家族を支援している日本カトリック信徒宣教者教会(JLMM)の活動を見学しました。まず、現地代表からの活動紹介をしてもらいました。JLMMの支援活動は、主に十分な教育を受けられない子どもを対象に文字や絵を描くことを教える保育支援と母親を対象とした栄養改善や住環境整備などのセミナーの開催です。また、一部の母親に対しては、ゴミ拾い生活に戻らないようにするためにアイスクリームやクレープの屋台販売の指導も行っています。現在、15名のお母さんが屋台販売を行っているそうです。なんと、多い人は月200ドル近く稼ぐそうです。説明を受けた後、保育所の子どもたちと遊びました。子どもたちはとても元気で、私たちのような外国からのお客さんを歓迎してくれて、しきりに甘えてきます。子供たちは無限のエネルギーを持っていて、私は遊び疲れてヘロヘロになってしまいました。でも、とても気持ちの良い疲れです。心残りなのは、お母さんたちの屋台販売を見ることができなかったことで、もしまた来る機会があればぜひ見てみたいと思います。写真は、JLMMの活動先で教育を受けている子どもたちとの写真です。

次に、カンボジアを拠点に活躍するフリーの若手カメラマン、高橋智史さんから昼食をはさんでお話を伺いました。高橋さんは、大学時代にゴミ拾いをする子供たちに出会ってから心をわし掴みにされてしまい、以来ずっとカンボジアの政治や人々の暮らしをカメラに収め続けています。印象に残っているのは、現政権や選挙について、カンボジアの歴史とともにお話くださった時、最後に言われた「弱き人の立場に立つ」という言葉です。弱き人の願いや想いは消されてしまいがちです。このことは、カンボジアだけに限らず、いろんな国、人種、宗教など様々なことに対して言えると思います。そのような人々の願いや想いを伝えるために、身の危険を感じながらも取材を続ける高橋さんの姿になんとも言い表せない感情が湧き、ハッとさせられました。

夜、飛行機が1時間ほど遅れましたが、無事にプノンペンからシェムリアップに移動しました。

プノンペンではカンボジアの歴史を学び、その歴史と現代とのつながりを理解することができました。カンボジアは、長年の内戦とクメール・ルージュによる虐殺で、大きな苦しみや悲しみを抱いてきました。そのことを現地に来て、様々な人から話を聞くことで身近に感じられた素晴らしい機会だったと思います。現地に赴くことの重要さがわかりました。

(井原美波 、国際社会学科2年)

第5弾もあります。
ご期待ください。

「国際性」で首都圏女子大第1位の評価を獲得した恵泉の国際交流プログラムについてはこちらをご覧ください。

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