雲南・タイFS

雲南・タイ短期フィールドスタディ(2016.1.31 - 2.10)
「少数民族、女性と子どもの問題」

製作者:2015年度雲南・タイ短期フィールドスタディ参加者

目的

近代化の影響により、独特の言語や文化・生活様式が失われ、自給自足の生活をしてきた民族も、市場経済にさらされることになった。雲南と北タイに住む少数民族もその例外ではない。その結果、人身売買や児童労などに巻き込まれる問題が発生している。この雲南・タイ短期フィールドスタディ(以下、タイ短期FS)では貧困、国籍、人身売買、児童労働について現場で学ぶことを目的としている。

参加動機

  • ストリートチルドレンの問題、人身売買をなくすための対策、少数民族の現状、村の生活などに興味を持ったから。
  • フェアトレードに興味があり、生産者側の貧困について文献調査よりも現地に行って、自分の目で確かめたいと思った。
  • タイ長期FSに参加する前にタイ短期FSに参加して、研究テーマの視察をしたかったため。

中国での学習

雲南大学

「価値がある人生とは何か」というテーマで映像人類学者であるタン先生の御講義をお聞きした。雲南に住む少数民族の失われつつある伝統や文化をどう守っていくのか。先生は彼らの暮らしの変化を映像に残し、記録をしている。

中国の現状

白族の村での絞り染め体験

白族の伝統を再創造しようとしている村に泊まり、伝統工芸である絞り染め体験をした。伝統的な染色方法を守ることで雇用がうまれ、人とのつながりが戻りつつある。海外からも注目を浴びていることを知った。

中国の現状

  • タン先生の御講義をお聞きして、少数民族にかかわらず若者たちが自分の国、あるいは出身地や民族の伝統、文化についてあまり知らないということをなくすために、伝統、文化を知ろうという気持ちが非常に大切だということを改めて実感させられた。
  • グローバリゼーションが進行するなかで、民族の文化を守ることが難しくなってきている。
  • すべての文化は等しく、価値があるという相対的文化主義を学んだ。

タイでの学習

タイの現状

DEPDC
(Development and Education Program for Daughters and Communities Centre)

タイ・ミャンマー国境付近で人身売買の被害を受ける危険性のある少女や学校に行けない無国籍の子どもたちに教育の機会を提供しているNGO。DEPDCではただの勉強だけでなく、今後のための生活スキルを含めた教育、職業訓練などを提供している。

エンパワー財団

タイで働くセックスワーカーの問題を労働者としての権利という観点から考え、セックスワーカーによって設立されたNGO。「すべての女性の意思と選択を尊重する」という理念のもとに、語学や社会保障制度、エイズ教育など必要な知識を提供し、彼女たちのエンパワーメントを促している。夕方になると、オフィスに併設されたバーがオープンし、彼女たちによる企画、経営が行われている。

カレン民族の村 ヒンラートナイ村

豊かな森を利用しながら自給自足的な生活をしているこの村では、古くから森の一部を焼いて畑にし、6~7年のサイクルで畑を循環させる循環型農業を営んでいる。その畑で採れたものを食べ、食べ残しは家畜のエサになり、その家畜がまた村人の食料になっている。電気はソーラー発電を使用しており、現代の技術を取り入れながらも、昔ながらの伝統的な文化や守っている。

タイで学んだこと・感想

  • カレン民族の村でのホームステイを通して幸せや豊かさとは、モノではなく人とのつながり、そして、彼ら自身がコミュニティーや文化を継承することにあると感じた。それぞれの民族としての暮らしや文化を誇りに思い活動するだけでなく、NGOや外部の人々との交流によって伝統を再創造し、自ら発展してゆくプロセスが大切である。
  • 日常生活のなかで足りない物があれば村のみんなで貸しあい、家を建てる時も村人みんなで協力しあう。そのような人間関係が、ある種のセイフティネットとなっている。モノは豊かでも、人間関係のつながりが薄い日本とのギャップを感じた。
  • 少数民族の女性や子どもが人身売買に巻き込まれ、ストリートチルドレンになってしまう背景には、タイ語がわからない、文字が読めないことにより情報を得ることができないなど、日本では考えたことがなかったが、教育の重要性を改めて実感した。・人身売買などの問題の背景には、歴史や民族、社会構造などさまざまな要素が複雑に絡んでいることを学んだ。体験学習を通して私たちが学んだこと、感じたことを他の人に伝えることが大切だと感じた。
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