「読書」について

 

 最近、新聞の読者の投稿欄で「読書」についてとりあげていました。昨年行われた学生生活の実態調査で、大学生の読書時間「0分」が5割になったという新聞記事に対し、「読書は楽器やスポーツと同じように趣味の範囲で、なぜ問題視されなければいけないのか」という投稿があり、それに様々な反響が寄せられたとのことで、その中の幾つかの文が掲載されていました。大人は読書を押し付けないで、本を読めば教養がつくとは限らない、読書は紙に限らず様々な媒体であってよい、発見や考える行為の醍醐味が読書等々。津野海太郎さんのコメントで、今若者たちは「本を読む人は変な人、格好悪いことと思っている」(!)という言葉も。

 記事を読んでみると、読書とは?と実は意外に考えていない自分に読書嫌いの人を説得できるのかいささか自信がなくなりました。教養のために本を読むと思ったことは記憶にあまりないですし。考えてみると本を読むことは運動やスポーツをすることにちょっと似ている気もします。わたしは運動が苦手で、現在スポーツと名のつくことは全くやっていませんが、それを特に不便ともつまらないとも感じていません。しかし歩いたりストレッチしたりするのは好きで、体に良いというだけでなく、それをしている間はじっとしていては得られないなにかが、沢山あるように思います。読書もたとえば小説などは知識を得るという点ではなんの意味もない場合もあるかもしれません。でも水泳では、水の中で前に進むだけなく、浮いたり、深くもぐったり地上では全く体験できない感覚を得ることができるのにも似て、小説を読んでいる時ならではの体験があるという気がします。そして人間は誰でも水の中で浮くことができるようになっていることですし、水の中の感覚を一度くらいは体験してみても良い気もするのですが・・・。さて図書館では4月の下旬に読書会を開催します。読書は余り好きでないかもという人もその知られざる魅力を発見しにぜひ来てください!(A)