Keisen Wild Rose Garden春の講演会を行いました。

Keisen Wild Rose Gardenは、野生種をその地域ごと(北アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本)に植栽した、オーガニックの野ばらの庭です。野村和子先生がデザインし、植栽管理のご指導を今も続けてくださっています。4月、中国の野生種ロサ・ユーゴニスの黄色い花が咲きはじめ、その後も6月まで次々と花が咲いていました。このバラ園では、花から花へバトンを受け取るかのように、種類によって開花期が異なるので、訪れるたびに違うバラの花が咲いています。

今年も、5月31日に野村和子先生の春の講演会を行い、学内外から100名余りの参加がありました。
最初に教室での講演、次いでバラ園へ移動し野村先生によるガイドツアー、最後にバラ園に隣接する恵泉オーガニックカフェでTea Time、という恒例のプログラムでした。

<講演>

今回の講演テーマは「Keisen Wild Rose Gardenの野生種が発展したバラの数々~Keisen Wild Rose Gardenのバラは改良されてどのようなバラに発展していったのだろうか」でした。

Keisen Wild Rose Gardenに植えられている野生種が、どのバラと掛け合わされて、どのような現代バラに発展したかを、ひとつひとつ、写真を示しながら解説してくださいました。これを通してひとつひとつのバラには、それぞれの物語があることを知ることができました。

花と平和のミュージアムの一環として作られたKeisen Wild Rose Gardenの入り口には、平和を象徴するバラとして‛ピース'と'スヴニール ドゥ アンネフランク'が植えられています。
今回の講演では、第二次世界大戦が終わった1945年に'ピース'と名付けられた経緯の紹介もありました。

最後に、「この野ばらの庭にある日本の野生種から、農薬の要らない丈夫なバラをつくれないだろうか」、「耐暑性のある日本のバラと遅咲きの北アメリカのバラを交配することで、夏中咲くバラが開発できるかもしれない」と夢を語られました。

参加者アンケートには、「かけあわせる花によって、全く違うバラがでてくることが不思議だった。」
「これほどたくさんのバラの種類があり、驚きました。そして、1つ1つの名前にそれぞれ意味があり、楽しいと思いました。」
「バラの系統、品種をいろいろと学べました。気に入った品種があったので自分で育ててみたいと思います。」等の声がありました。

<ガイドツアー>

講演終了後は、90名ほどの方がバラ園へ移動し、オータムダマスクが香る中、Keisen Wild Rose Gardenの植栽や、そこに植えられている野生種について説明を受けました。
「講演でのお話のあと、具体的に見ることができたことが良いことでした。」
「咲いているバラ、咲き終わっているバラ、これからのバラ等々色々あってとても自然なバラ園で、ベンチもあり、ガゼボもあり、また来たいと思いました。」という感想を参加者からいただきました。
途中雨が降ってきたので、早めにTea Timeの会場へ移動しました。

ガイドツアーの際には、野村先生のご指導を受けて学生が体験学習の一環として、作成した『Keisen Wild Rose Garden~オーガニックの野ばらの庭~ガイドブック』が配布されました。

<質問コーナー付きTea Time>

最後に、学生が運営に携わっている恵泉オーガニックカフェのケーキとお茶をいただきながら、なごやかな雰囲気の中、参加された皆様からのご質問に、野村先生が答えてくださいました。
参加者は70名ほどで、「沢山の方が質問されて、先生のその質問を上まわる説明が素晴らしい!」
「質疑応答がとても専門的かつわかりやすくてよかったです。」
「どのような質問にも納得のいくお答えを頂き、勉強になりました。」といった感想をいただきました。

Keisen Wild Rose Gardenの講演会は、主催恵泉女学園花と平和のミュージアム(バラ園運営委員会)、共催恵泉女学園同窓会、恵泉女学園大学園芸文化研究所で行っています。
次回、秋の講演会は、10月4日(木)に開催いたします。12:20~13:30講演会、14:00~14:30ガイドツアー、14:30~15:00 Tea Timeの予定です。ぜひご参加ください。

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