恵泉女学園大学で学ぶ園芸療法

1. 園芸療法とは

植物や植物のある環境で人は癒され、安心感を得ます。
植物を育てることで身体を動かし、生長を見守る中で役割、達成感、満足感、喜びを得ます。このような植物や園芸作業がひとに与える効果をリハビリテーションに活用するのが園芸療法です。

2. 園芸療法士

様々な団体が園芸療法の資格制度を作っていますが、全国の資格のスタンダートとなっているのが日本園芸療法学会認定の園芸療法士資格です。恵泉女学園大学は日本園芸療法学会認定教育講座で、学部学科を問わず園芸療法士を目指すことができます。関東の大学で園芸療法士取得が可能なのは、千葉大、農大、恵泉のみです。
既定の講義を履修し(座学200時間以上に相当)、園芸療法実践500時間を実習することで園芸療法士の資格試験(座学を履修しているので面接のみになります。)を受けることができます。
園芸療法士は病院、高齢者施設、障害者施設、リハビリ施設などで活躍をしています。

園芸療法士を取得した卒業生

  • 2010年卒 奥濱真奈可さん(HE)
    NPO法人Ohana(知的障害の方々と花の栽培)
  • 2014年卒 村上りこ(HE)
    作業療法士の資格を目指して専門学校に在籍中
  • 2016年卒 波多野吏(HC)
    社会福祉法人開く会共働舎(知的障害の方々と花の栽培)

3. 園芸療法を指導する教員

本学で園芸療法を指導するのは、日本で最初に園芸療法の留学をし、日本園芸療法学会理事、NPO法人日本園芸療法研修会代表理事、日本園芸療法学会専門認定登録園芸療法士、本学専任教員澤田みどりです。さらに非常勤講師の日本園芸療法学会認定登録園芸療法士の小澤直子も指導にあたっています。教員の幅広いネットワークから学外における園芸療法の実践実習が可能です。

恵泉女学園大学の園芸療法実践活動

恵泉土曜園芸クラブ

多摩市、多摩市社会福祉協議会にご協力をいただき、園芸文化研究所の研究助成により立ち上げた大学内の学生主体で運営する園芸療法活動です。学校近隣の在宅高齢者の方々の生きがいづくり、認知症予防、介護予防、引きこもり予防を目的に2015年4月から授業の一環として開始しました。地域のニーズに応えながら、現在の参加者は多岐に渡り、心の病の方、高次脳機能障害の方へ広がってきています。四季折々の野菜や草花をレイズドベッドという立ったまま作業ができるガーデンで育て、育てた植物を利用(押し花、染色、フラワーアレンジ、調理など)し、異世代交流を楽しみながらみんなの居場所になり、地域の保健師、ケアマネージャーと連携させていただく地域貢献事業に発展しています。園芸療法士を目指す学生たちが企画、準備、実践、記録、振り返りと運営を全て担う実習の場にもなっています。

東京都立多摩桜の丘学園との交流授業

多摩市内の特別支援学校の知的障害部門高等部園芸班の生徒さんと園芸療法を学ぶ学生が授業の一環として交流授業を展開しています。6月、10月に多摩桜の丘学園を訪ねて、玄関周りのプランターの寄せ植え作業を一緒に行います。12月には大学に来校してもらい、それぞれが育てた野菜を使って調理をして一緒に食べます。学生がプログラム立案、準備、実践、記録、評価すべて実施し、事前事後学習を含めた年間実習です。

あい介護老人保健施設デイサービスご利用者との学内交流

多摩市内の老人保健施設のデイサービスご利用者が5~6月、10~11月の年2回本学へいらして、学生と園芸療法プログラムを実施(寄せ植え作り、押し花作品、フラワーアレンジメントなど)し、一緒に学食で昼食を共にし、ガーデンをご案内するプログラムです。デイサービスご利用者の外出の機会、異世代交流、植物との触れ合いなど好評で毎年実施しています。

多摩市グリーンライブセンターにおける交流

多摩市グリーンライブセンターには、園芸文化研究所の研究助成により3台のレイズドベッドが設置されています。レイズドベッドとは立ったまま、車椅子のまま作業ができるように高い高さに造られた花壇です。障害や病と共に生きていても社会と繋がっていたい、社会貢献をしたいというデイサービスご利用者の方々の思いを形にするために、レイズドベッドの植え替え作業を年2回(6月と11月)ずつ園芸療法を学んでいる学生と一緒に実施しています。

認知症対応型グループホーム『天の川』との交流

多摩市内の認知症の方々が生活をされているグループホームからのご依頼で、2017年4月から有志の学生が毎週1回訪問して、数名のご入居者と園芸作業を行っています。屋上ガーデンやベランダを活用して、日々の暮らしに季節感をもたらし、収穫物を飾ったり、調理して食べる作品作りで日々の暮らしを豊かにするなど暮らしに密着したプログラムを展開しています。

特別養護老人ホーム愛生園との交流

多摩市の特別養護老人ホームで生活をされている方々へ、四季感土に触れ、植物に触れる作業を取り入れた園芸療法活動です。有志の学生が月に1~2回の頻度で通っています。
室内に移動させたプランターに季節の野菜や花を育て、屋外に設置することで日光浴外気浴の機会を作り、植物を使ったクラフト作業により手先を使って脳の活性化を図ります。

多摩市高次脳機能障害デイサービスとの交流

多摩市社会福祉協議会が運営をしている高次脳機能障害の方々のデイサービスに年に2回伺い、室内の園芸作業を介して心身機能の維持向上を目的に楽しんでいます。学生が企画、準備、実践をし、ご利用者、職員の方々と一緒に1時間半ほどのプログラムを行っています。

スプフェス&恵泉祭での園芸療法ミニ講座

植物や園芸作業の楽しみをより多くの方に知っていただき、暮らしの中に取り入れるきっかけを作るために、本学のスプリングフェステイバル及び恵泉祭でミニ講座を開催しています。ドライフラワー、押し花を使った作品作り、リース作り、多肉植物、苔、ハーブ、エデイブルフラワー(食べられる花)を使った園芸作業など学生が企画をし、準備をし、参加者に説明し、楽しんでもらうことで、学生の園芸療法の技術も向上しています。この講座を毎年楽しみに来てくださる方が多々年々増えていて嬉しいことです。

『忘れな草プロジェクト』への参加

ほのぼの運動協議会主催の東北復興支援『忘れな草プロジェクト』は、福島県内の農業高校の生徒が育てた忘れな草の花苗を配布します。被災地でできること、東京でできることそれぞれ力を合わせて「東北を忘れないで」の思いを込めた活動です。1年目から学生が参加して、高校生と一緒に配布をしています。学内及び多摩市グリーンライブセンターにも学生有志が忘れな草の花苗を植えてPRをし、活動支援をしています。

レイズドベッド(Raised Bed)

レイズドベッドは、土をかさ上げして高くし、しゃがんだりかがんだりせずに作業ができる立ち上がり花壇のことです。
レイズドベッドに植えこむことで、育てる人の身体的負担が軽減され,立ったまま、椅子に座ったまま、車いすの方は車いすに座ったまま作業が可能です。
植物にとっても排水性、通気性が良く成長を促します。
本学の研究助成により大学に3台、グリーンライブセンターに2台設置しています。
この秋はパルテノン多摩の依頼により、パルテノン多摩の入口近くに公開講座でレイズドベッドを1台作成しました。
いずれも多摩地域に障害をもっても体が不自由になっても少しの工夫で園芸を楽しく続けられることを伝えることが目的の研究でした。

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