放送文化賞受賞のご報告とお礼

2019年03月25日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

この度、『第70回日本放送協会 放送文化賞』をいただきました。大変思いがけないことでした。賞状と記念のブロンズ像「ふたば」(佐藤忠良氏制作)、副賞と共に、次のようなもったいないお言葉を頂戴いたしました。(受賞者紹介資料より)

< 功 労 概 要 >

子育て支援の重要性を訴え、その理念を広めてきた草分けの一人。1987年の「おかあさんの勉強室」以降、現在の「すくすく子育て」まで、30年以上にわたりNHKの育児番組や「クローズアップ現代」など報道番組へ多数出演。根底にある社会問題に鋭く切り込みながら、育児に悩む母親たちに寄り添う姿は多くの視聴者の共感を集め、公共放送の声価を高めています。

なお、表彰式は3月15日にNHKホールで開催された「第94回放送記念日記念式典」の中で執り行われましたが、この日は大学の卒業式・学位授与式の日と重なりましたため、私はヴィデオメッセージでの参加となりました。

この度は歴史のあるすばらしい賞をいただき、身に余る光栄に存じます。本日は大学の卒業式のため、受賞式に出席することが叶いません。申し訳ありません。
私の専門は心理学で、親子や家族・女性の人生に関わる問題を研究し、女子大で女性たちの学びを見守ると共に、地域の子育て・家族支援のNPO活動もしておりますが、そこに共通しているライフワークは母性の研究です。1970年代はじめのコインロッカー・ベビー事件を契機に、育児に悩む母親たちの背後に伝統的な母性観があること、つまり女性であればだれもが生まれながらに育児の適性をもっているという母性観が女性に孤軍奮闘の子育てを強いている実態を明らかにして、子育て支援の必要性を訴えました。
当時はなかなか受け入れられず、バッシングを受ける月日を重ねておりましたが、手を差し伸べてくださったのがNHKさんでした。当時は教育テレビの「お母さんの勉強室」、今はEテレの「すくすく子育て」という番組になっていますが、母親に寄り添うスタンスを貫いていらっしゃいます。その他の番組やニュース、ラジオ等で、その時々のタイムリーなテーマで出演の機会をいただけたことは本当に有難いことでした。
ここ数年、社会をあげて子育て支援の必要性が言われていますが、それでもなお課題は山積しています。女性活躍が言われる一方で、依然として子育てや介護の負担に苦しむ女性たちが少なくありません。
しかし、明るい兆しもあります。かつて、マイクの前ではけっしてつらさを口にしなかった女性たちが、取材に応じ、スタジオに来て自分の言葉で訴えています。メディアの力とこれまでのご支援に感謝いたしますと共に、女性たちが本当の意味で自分らしく生き、身近な人や地域、社会に尽くす喜びを手にできる確かな社会を築けるよう力を尽くしたいと存じます。この度は本当に有難うございました。

副賞100万円は、恵泉女学園大学とNPO法人あい・ぽーとステーションに寄贈し、女性活躍時代に真に活躍できる力(「生涯就業力」)の育成と子育て・家族支援のために、有効に活用させていただきます。
この度の受賞に際して、たくさんの方からお祝いのメッセージをいただきました。
ここに謹んで御礼を申し上げます。有難うございました。

今回の受賞者の方々
歴代の受賞者の方々

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